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藤井泰輔「あなたの生活をサポートするお金のはなし」

生命保険料は家計で月5千円で十分…「まず商品選び」はNG、意外に手厚い社会保険を確認

文=藤井泰輔/ファイナンシャルアソシエイツ代表

公的な保障は、あなたが思っているよりも手厚い

 生命保険は金融商品のひとつであり、“加入する”のではなく、“購入する商品”だと私は常々言っています。それは、加入するという意識が、本来必要だから購入するという、ほかの商品と同じ行動パターンからずれてしまう危険があるからです。「あの人が入っているから入る」「テレビで必要だと言っているから入る」となりがちなのです。

 それでは、どうするのが正しい生命保険との付き合い方につながるのかといえば、それは、まず社会保険の保障内容を知ることです。勤め人など厚生年金の被保険者は、給与の14%程度を毎月社会保険料として支払っています。そして、それに見合う保障を受けているということです。それがあなたやあなたの家族にとって十分なものであれば、生命保険など必要ないのです。

 もし、あなたが勤め人であれば、以下のような社会保険による保障が準備されています。

1.長生きしたときの保障

2.重い障害を負ったときの保障

3.遺された家族に対する保障

4.医療費の負担が窓口では3割ですむ

5.医療費の負担には月々の上限がある

6.働けなくなっても、最長1年半は、給与の3分の2の所得補償がある

 このほかにも、仕事が原因で働けなくなったときの保障や、勤めている会社が独自に持っている福利厚生制度などがあります。これらすべてをしっかり把握した上で、本当に足りないと思う保障を生命保険で準備すればいいのです。

 健康保険の保障内容を考えると、医療保険や働けなくなったときの保険などは、どうしても必要な商品とはいえず、まさかのときの死亡保障に絞れば、生命保険に関する家計の支出は月5000円で十分なはずです。

 ただし、自営業の人など、厚生年金保険と組合健保や協会けんぽではなく、国民年金と国民健康保険に加入している人は、社会保険の保障が少ない分、生命保険の役割は大きくなります。

必要な保障額の計算の仕方

 それでは、生命保険の役割としてもっとも高い、一家の働き手が亡くなったときの必要保障額はどのように計算すればよいでしょうか。最近では、保険代理店などに相談に行くと、シミュレーションと称して、そうした計算もしてくれますが、ここは自分である程度の概算でも知っておくことが必要です。

藤井泰輔/ファイナンシャル・アソシエイツ代表

藤井泰輔/ファイナンシャル・アソシエイツ代表

株式会社ファイナンシャルアソシエイツ代表取締役。生保協会認定FP、DCプランナー、宅地建物取引士。一橋大学商学部卒業後、三井物産、生命保険会社勤務を経て、2000年に総合保険代理店、株式会社ファイナンシャルアソシエイツを設立。法人、個人ともに、常に買う側の立場に立った保険提案で顧客の信頼を集めている。機会あるごとに保険をテーマとしたセミナーの講師を務め、さらに新聞、雑誌などへの寄稿を通して、正しい保険の活用法を説いている。主な著書に、『あなたの「生命保険」払いすぎ!』(かんき出版)、『中小企業のための保険加入完全ガイド』(プレジデント社)、『安心セカンドライフのためのマネー・プラン』(日本評論社)がある。

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