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山崎俊輔「発想の逆転でお金に強くなる『お金のトリセツ』」

コロナで大変な今こそ、「家計簿アプリ」で毎月2万円くらい家計を絞れ!

文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表
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「Getty Images」より

収入が不安定で大変な時期だからこそマネーハックで家計を見直せ

 新型コロナウイルスの影響で今は大変な時期です。収入が大きく減ってしまった人もいるでしょう。あるいは、今はなんとか維持できているが将来が不安という人もたくさんいます。もし「家計の削れるところがどこかわからない」という人がいたら、マネーハックのスキルを活用してみましょう。

 実は先日『大人になったら知っておきたいマネーハック大全』(フォレスト出版)という書籍を出版しました。本連載ほか、いろんなところで書いているお金のノウハウをまとめてみたものですが、今回はその情報を活用しつつ、「家計を見直して、削れる余地を見つける方法」を考えてみましょう。

 活用したいのはフィンテック(金融とITの融合を意味する造語)です。あなたの手元にあるスマホにアプリを入れて、ネットにつなげば、家計を見直す作業のほとんどは自動化させることができます。

 目標は「月2万円」の出費を削ること。苦しい時期こそ、本気で家計の見直しをしてみましょう。

とにかく自動化させる 家計簿アプリがお金の流れを見える化する

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『大人になったら知っておきたいマネーハック大全』(山崎俊輔/フォレスト出版)

 家計の現状を「見える化」することが、見直しに必要なステップです。しかし、家計はなかなか見えにくいものです。大きく分けても、現金払い、電子マネー払い、クレジットカード払い、銀行口座の引き落としなど、支払方法はいろいろあるからです。それぞれをきちんとリストにしないと、本当の見える化にはなりません。

 昔なら、「家計簿」を記帳しましょう、ということになりました。レシートを何十枚も集め、手書きでメモをし、電卓で集計します。とても面倒くさい作業です。実際、家計簿を続けられない人のほとんどが、手間ひまがかかることを三日坊主の理由にあげます。

 しかし、今なら自動的に家計を分析するツールがあります。家計簿アプリです。家計簿は、実はフィンテックのおかげでまったく新しいツールになりました。まずアプリをインストールして、モバイルバンキング、クレジットカードのアカウントを登録します。電子マネーやECサイトのアカウントも登録すると、さらにしっかり家計が分析できます。これだけの手続きが終わると、家計簿は自動的に記帳され始めます。

 手入力の必要はありません。銀行引き落としの水道代やクレカから決済されたスマホ料金、ネットの買い物などはデータを自動取得し勝手に記帳されます。騙されたと思ってやってみると、これがおもしろいほど快感です。買い物の流れの半分くらいは、これでもう補足されます。

 自動で記帳されない分については、手持ちのスマホですぐに手入力をするかレシートをカメラ撮影すればOKです。カメラの認識精度はアップしており、正しく入力してくれます。

 今は家計簿を書くために自宅で夜中に時間を取る必要もありません。記憶にない買い物の項目や金額を思い出すためにウンウンうなる必要もないのです。もはや、家計簿をつけるために「マジメ」「努力」「根性」のようなキーワードは不要になりました。あなたの家計は自動的に「見える化」します。

 こうした自動化をアカウントアグリゲーション機能といいます。Zaim、マネーフォワードMELINE家計簿(アプリ版)、マネーツリーなどが対応しています。もちろんアプリの基本料金はどれも無料ですから、冷やかしで設定してもOKです。

 数週間も自動記帳させると、家計の流れが明らかになってきます。ほとんど忘れていた、自動引き落としされているお金の存在、思った以上に使っている食費や交通費の存在が「見える化」してくるからです。

「何を削ればいいか、わからない」では節約は難しいのですが、「○○を解約すれば数千円浮く」とか「月に1回、○○の買い物を控えれば月に3000円浮く」のように具体化もしやすいので効果もはっきりします。なんせ、ほとんどが自動的に記帳され、家計簿の見直しに着手できるのがいいところです。ぜひ、初期設定をしてみてください。

「固定費」と「日常生活費」の2方面作戦で削りどころを考える

 家計を削るためには「固定費」と「日常生活費」の2方面で絞りどころを考えてみるのがいいでしょう。

「固定費」については一度見直すとずっと効果が出ますから、こういう時期には有効です。たとえば「光熱費」については電力自由化などで見直せば月数千円のダウンになることもしばしばです。自宅にいる時間が増えている今は、少しでも光熱費を下げることを考えましょう。

「通信費」についても見直しの余地があります。自宅のネット回線、スマホ料金プラン、衛星放送受信料、サブスク(動画配信など)の月会費など、必要なものは残し、不要なものは削るなり、割安なサービスに乗り換えるなりします。

 ほとんどはオンラインで手続きができますから、自宅で完結させることも可能です。自宅にいる時間も多いことですし、ネットの比較サイトなどで情報収集してみましょう。

「日常生活費」については、毎日の少しずつのセービングが大きな力となってきます。この時期はどうしても「食事しか楽しみがないから、高い材料を買っちゃおう」とか「自宅にいる時間が長いからお菓子(あるいはお酒)を買い込んでおこう」というのが、お金の使いすぎにつながっていることがしばしばあります。

 ECサイトでのネットショッピングにお金をつぎ込んでいる人もいます。ストレス解消のための買い物、という要素もありますが、家計のバランスには気を使ってみてください。

テレワークに巣ごもり消費……今、自宅生活での注意点はここ

 今はテレワークが進んでいたり、子どもが学校に行かないため自宅待機をしていたり、自宅での滞在時間が増えています。ですから、平時の家計出費と異なる要素があることにも注意が必要です。自宅にいる時間が増えている時期、家計に影響が出るのは以下のような項目です。

・減ることがあるもの

交通費……通勤や外出が減っている

外食費……自宅で食事をとる機会が増えている

交際費や娯楽費……友人と会ったり映画を見る機会が減っている

被服費……服をお店で買わないなど

・増えることがあるもの

光熱費……自宅にいる滞在時間が増えている

食費……自炊をする分の予算が増える

教養・娯楽費……ECサイトで本や任天堂の「Switch」を買うなど

 いつかは、こうした厳しい事態から私たちは抜け出せると思いますが、緊急事態宣言が解除されたあとは、家計の出費動向が変化します。上記の増減要素は、今度は逆に動くことになります。学校が再開され、仕事でもまた職場に通うようになったときは、家計は引き続き気を引き締めていきたいものです。

 緊急事態宣言が続いているあいだも、解除されたあとも、家計簿アプリで「家計の見える化」を図ってみてください。

(文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表)

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

1972年生まれ。中央大学法律学部法律学科卒業。企業年金研究所、FP総研を経て独立。個人の資産運用や老後資産形成のアドバイスが得意分野。日経新聞電子版やYahoo!ニュースなど多数連載を持つ。月間PVは200万以上。
フィナンシャル・ウィズダム代表 ファイナンシャルプランナー
financialwisdom

Twitter:@yam_syun

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