コロナ禍で注目の生命保険、保障額と保険料を自在に増減可能…積立金の一部引き出しも
新型コロナウイルス感染症の拡大は、保険市場にも大きな影響を与えた。病気や人の死に年齢は関係ない。感染しても死亡確率が低いとはいえ、若い世代でも死亡する例はある。
新型コロナウイルス感染症の拡大は、保険市場にも大きな影響を与えた。病気や人の死に年齢は関係ない。感染しても死亡確率が低いとはいえ、若い世代でも死亡する例はある。
これまで若い人に保険の話をしても、拒絶されることも少なくなかった。しかし、コロナによって、「20代や独身者に保険は不要」という考えが崩れ、若い世代の死亡保険加入が急増した。たとえばアクサ生命では20代以下の契約件数が、昨年4~9月は前年同期比で約2割の増加となったという。
保険に対するニーズにも変化が現れ、ウィズ・コロナで将来が見通せないという不確性が高まり、保険料の安さだけではなく、保障内容や使い勝手の良さという保険本来の質的な機能に光が当たるようになってきつつある。経済的な不安が国民を直撃している今、保険料を少しでも減らしたいと思う一方で、保障はキープしたいと考える人が増えるのは当然だ。
しかし、保険料支払いが2カ月連続して未納になれば、解約返戻金のない商品は失効となる。失効とは保険の効力がなくなることで、万が一の場合でも、保険金などが受け取れない。解約返戻金がある場合でも、解約返戻金から保険料を振り替えることで継続できるが、これも振り替えられる解約返戻金がなくなれば、保険は失効する。
これを受け生命保険業界でも、申し出のあった契約者に保険料の支払猶予期間を設けるなど急場をサポートする特別措置を行っているが、猶予後は保険料の一括返済が必要であるため、利用を躊躇する人も少なくなかった。
アクサ生命「ライフプロデュース」
コロナ禍に本領を発揮する保険はないものか。アクサ生命の「ライフプロデュース」(正式名称:年金払定期付積立型変額保険)は、以下の特長を持つ。
(1)死亡保障を確保しながら、長期に時間を分散した資産形成ができる
(2)ライフイベントに合わせて保障額や保険料を自在に変えることができるうえに、保険料支払いを一旦休止することもできる
(3)保険期間中に積立金の一部を引き出すことができる
(4)満期保険金を年金で受け取れたり、積立金を元に一生涯の死亡保障に変更することができる
いわゆる究極のユニバーサル保険といえる日本ではユニークな商品だ。ちなみにユニバーサル保険とは、死亡保障と貯蓄部分を分け、ライフステージの変化に応じて保険金額、保険料、保険期間のうち2つを自由に設計できる。
特に今のような不確実性が増している社会情勢にマッチし、若い世代からも注目を集めている点が(2)で、ポイントは2点となる。
1つ目は、保障を維持しながら保険料の支払い方法に自在性がある点だ。契約は有効なまま一時的に保険料の払い込みを停止したり、保障額を減らすことなく毎回の払込保険料を減額することができる。停止した保険料の払込み再開も可能であるほか、まとまったお金があるときには任意一時払保険料としてまとめて払い込むこともできる。
2つ目は、健康状態にかかわらず、ライフイベント(結婚・出産など)に応じて保障(基本年金年額)の増額が可能なことだ。当たり前じゃないかと思うかもしれないが、減額ができる商品は多いが、健康状態にかかわらず増額できる保険商品は、世に数多ある商品の中でも極めて珍しい。健康状態を問わない保障の増額は保険会社のリスクが増加することになり、保険引き受けの収支に影響があることから、財務基盤が堅固でないと、このような顧客起点の商品設計は実現できないからだ。なお、健康状態を問わない保障の増額は結婚時に1回まで、子どもの誕生時には3回までできる。
これらのメリットを活用することによって、独身から結婚、出産、住宅購入など人生のライフイベントのたびに保障責任が増加するヤングファミリーにとっては、保険料の無駄がなく、解約や転換を行う必要のない合理的かつ柔軟な保障の見直しができる。具体的には、ライフイベントごとにきめ細やかに無駄なく必要保障額を増減させることができるというわけだ。
商品には2種類のタイプがある。死亡・所定の高度障害状態に該当したときから保険期間満了まで毎年、死亡・高度障害年金を受取るⅠ型(年金支払い期間は5年間の最低保証がある)と、死亡・所定の高度障害状態に該当したときから10年間、毎年、死亡・高度障害年金を受取るⅡ型がある。イメージ的にはⅠ型は死亡・高度障害年金が低減する逆三角形タイプ、Ⅱ型は死亡・高度障害年金が一定の真四角タイプだ。どちらのタイプも生存したまま保険期間満了を迎えると、満期保険金が受け取れる。
<商品イメージ図>
I型・Ⅱ型ともに、契約年齢は0歳から65歳。月払保険料は5000円から10万円までの取り扱いとなっている(任意一時払保険料は150万円まで)。保険料を控除した残額を積立金額とするため、積立金額は固定されていない。最低基本年金年額はI型は30万円、Ⅱ型は50万円。
ところで、ライフプロデュースは先に述べた通り、死亡保障と貯蓄部分を分けたユニバーサル保険で、正式名称は年金払定期付積立型変額保険だ。「変額保険」とは、株式や債券などで運用し、運用実績によって保険金や解約返戻金が増減する保険をいう。変額保険や変額年金保険の運用は、他の保険種類の資産とは区別して管理・運用が行われ、運用成果は直接、契約者に帰属する。
資産分散投資と長期平準化した時間分散投資をセット
「資産分散」という言葉をよく聞くが、かつて日本には8.648(ハローシアワセ)%という夢のような利率の定期預金があり、何も考えなくても預金さえすれば資産が増えていく時代もあった。しかし、今は大手銀行の普通預金の金利は0.001%、1年定期預金の金利は0.002%だ。仮に100万円を1年間預けた金利は10円とか20円だ。それなのに、時間外に引き出せばATM手数料は1回につき110円という悲惨な状態になっている。
こうした低金利時代を反映して、保険を活用した資産形成においても分散投資を掲げる商品が人気を集めている。今、注目度が高いのは「株式や債券などで運用する資産の分散効果」「ドルやユーロ、円などの通貨による分散効果」「日本以外の世界各国の市場を活用した地域による分散効果」「タイミングやドルコスト平均法を活用した時間の分散効果」といった、資産の分散投資と長期に平準化した時間の分散投資を組み合わせるものだ。
ライフプロデュースは、まさにこれらを網羅するもので、6つの特別勘定から1つ、あるいは複数を選択し配分割合を決める。運用実績により高いパフォーマンスを目指すことも可能となっている。また、6種類の特別勘定への繰入割合は随時変更が可能で、毎月1回までは無料で特別勘定の積立金を他の特別勘定に移転することができる。特別勘定のファンドを何にするか、割合をどうすればいいのかはわからないと悩む方には、意向をアンケートにて分析後、アンケート結果に基づき、依頼者のリスク許容に応じた特別勘定の組み合わせ割合を営業担当者からアドバイスしてもらえる。
・積立金部分推移
Ⅰ型 30歳男性、保険期間・払込期間65歳満了、月額保険料は2万円。基準となる保険金・年金・給付金額は毎年30万円を65歳から受け取れる(一括して受け取る場合は約851万円~147万円)
収入と支出の変化に柔軟に対応
当然、注意しなければならない点もあるので、明記しておきたい。契約を解約した場合の払い戻し金額や満期保険金額などが、払込保険料総額を下回る場合もある点だ。また、払い戻し金額および満期保険金額に最低保証はない。保険期間中の死亡・所定の高度障害状態に対する保障にかかる費用や保険契約管理費が、特別勘定で運用された積立金または保険料から控除される。
保険業界では、同社のユニット・リンク保険のような保障を準備しながら、長期分散積立投資で資産形成ができる保険も増えてきつつあるが、ライフプロデュースとこうした資産形成に重点を置いたの保険を組み合わせて分散投資を希望する若い世代が増加している。
何より、こうした商品は保険設計を行う担当者のヒアリング能力やアドバイス能力が求められ、生涯を通じたライフプランに基づくコンサルティングを前提に提供される。商品概要を単に説明するだけではなく、特別勘定で運用される投資信託の商品知識、リスクを正確にあますところなく伝えるリスクコミュニケーション能力など、高いスキルが求められる。逆にいうと、一般の方が保険募集人、つまり営業担当者を選ぶ時代になったことを意味するのではないか。
手間暇を惜しまずに、ライフプロデュースを扱うアクサ生命のフィナンシャルプランアドバイザー(FA)社員以外に、保険ショップや代理店などの形態の違う複数の募集人から説明を受けると、納得のいく出会いがあるはずだ。
いつまでコロナ禍が続くのか、これからの社会や経済情勢はどうなるかなど、誰も正確に把握することができない以上、ライフステージでの先行きなど予測を立てることも困難だ。しかし、仮に保険料を2万円に設定しても、保障をそれほど重視しないときは積立部分の特別勘定に多めに保険料を振り分け、保障を重視するときは多く保険料を組み入れて保障を増やしたり、まとまった資金が必要な時は積立金の一部を引き出せるなど、収入と支出の変化に柔軟に対応できる商品は、他に類を見ないだけに、まさに今、社会が望む商品だと考える。
(文=鬼塚眞子/一般社団法人日本保険ジャーナリスト協会代表、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表)