3年で年収1億円を稼いだ不動産投資の手法とは?投資すべき物件とNG物件の違い
ビジネスパーソンの副業として、資産運用の手段として、多くの人を惹きつけ続ける不動産投資。その新しい潮流として台頭しているのが、「リノベーション」だ。
空室の目立つ中古アパートを格安で買い取り、人気物件に生まれ変わらせる手法は、やり方によっては高い収益率で運営することができ、さらに高額で売却できるという大きなメリットがある。
この手法で大成功を収めている投資家で、『3年で年収1億円を稼ぐ「再生」不動産投資』(ぱる出版)の著者である天野真吾さんに、リノベーション投資のキモを聞く連載「教えて、天野さん!」。
第1回の今回は、「投資すべき中古物件」と「避けるべき中古物件」について、うかがった。
私が買ったガラガラ物件・買わなかったガラガラ物件
――天野さんの著書『3年で年収1億円を稼ぐ「再生」不動産投資』では、空室物件をあえて買い、満室物件に生まれ変わらせる手法が解説されています。これまで、さまざまな空室物件を見てこられたかと思いますが、「生まれ変わることができる物件」と「そうでない物件」の違いを教えてください。
天野真吾氏(以下、天野) 土地が陥没していたり建物が大きく傾いていたりと、建設業者が入らないと人が住める状態に戻すのが難しいような物件でなければ、どんな物件でも生まれ変わらせることはできると思っています。
あくまで「自分が手掛ければ」という意味ですが、よほど人里離れた物件でなければ入居率100%に持っていくことも可能です。ただ、投資や事業として見たときに、リノベーションにものすごくお金がかかるなど採算ラインに乗らない物件もあるので、そういうときは「チャレンジするのはやめておこう」という判断になりますね。
天野 迷うときの多くは、その物件があるエリアに「今後、どれくらいの需要と供給があるか」が読みにくいケースです。
多摩ニュータウンなどを思い出していただくとわかりやすいのですが、20年前は「あの地域に住みたい」という人が殺到していましたよね。でも、今はそこまでの需要はありません。
人が住みたいと思う場所のトレンドは時期によって変わるので、「今は需要があって満室にできるけど、20年後も勝負できるか」と考えると、先が読みにくいエリアもあります。
そこでチャレンジするかどうかを、私はその場所の都市計画を調べて決めています。鉄道会社や航空会社がどういう計画でどのエリアに重点的に投資しているのかがわかれば、将来の大まかな住居の需要が見えてくるからです。
今、よくいわれる「コンパクトシティ構想」を例にしましょう。これは、ヒト・モノ・カネを都市に集約しようという計画ですが、言い換えれば「田舎を切る」ということでもあります。この計画が動いているような地域では、中心部以外は厳しくなってしまうので、それを勘案して物件購入をあきらめるという選択があり得ます。