雑誌のクリスマス記事、なぜバブル期より大幅増?記事コピーの変遷から透ける消費の地味化
さまざまなテレビ番組や雑誌などでもお馴染みの購買/調達コンサルタント・坂口孝則。いま、大手中小問わず企業から引く手あまたのコスト削減のプロが、アイドル、牛丼から最新の企業動向まで、硬軟問わずあの「儲けのカラクリ」を暴露! そこにはある共通点が見えてくる!?
クリスマスがやってきた。コンビニエンスストアでコンドームが異常に売れる時期だ。今年は相模ゴム工業が世界最薄の0.01ミリのコンドームを発売した。
コンドームに限らず、小売業は10〜12月のクリスマス商戦で、1年のうち、最も利益を稼ぐ。アパレルメーカーが1年間に稼ぐ利益も、重衣料と呼ばれる冬物販売による利益が大半だ。今年は好景気の兆しが見え、そして厳冬(寒い冬は消費を加速させる)だから、クリスマス商戦に期待がかかっている。
都内のホテルは満室が相次いでいるらしい。高級衣料や高級装飾類も今年は好調だ。バブル期ほどではないかもしれないけれど、クリスマスに恋人への高価プレゼントを購入し、高級ディナー、そしてホテルにチェックイン……という憧れもまだ残っているのかもしれない。
ところで世間ではクリスマスと騒がれているけれど、筆者のイメージではまだ1980年代後半〜90年代前半にかけてのバブル期のほうが騒いでいる気がした。いまはクリスマスといっても、すでに定着した文化だから、胸躍る感じではない。
そこで、バブル絶頂から崩壊、そして現在に至るまでの主要な雑誌の記事タイトルを見て、記事中に「クリスマス」という単語がどれほど含まれていたのかを調査してみた。具体的な期間としては、バブル崩壊が89年~92年くらいとして、その前年88年から現在までの雑誌を調べてみた。
結果からいうと、筆者の予想は外れていて、むしろバブル期そして崩壊時よりも、「クリスマス」という単語の使用頻度は年々上昇傾向にあり、2005年をピークに、あとは横ばいだ。