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2023.05.06 01:49
2013.12.24 00:00
坂口孝則「ダマされないための“儲けのカラクリ”」 第23回
雑誌のクリスマス記事、なぜバブル期より大幅増?記事コピーの変遷から透ける消費の地味化
●バブル期の名記事コピー
ところで、バブル期の雑誌のクリスマスに関する記事を読んでいると、苦笑するしかない名コピーがあふれていた。
『ホテル・レストランは超満員 若者の「クリスマス」バカ騒ぎ もういいかげんにせんかい』(「週刊文春」<文藝春秋/90年12月20日号>)
いい時代だったんですなあ。
『ティファニーとマニュアル誌に追われて 怖いから恋するクリスマス・イブ』(「AERA」<現・朝日新聞出版/90年12月25日号>)
これなど、本当にバブルの臭いがする。しかも「AERA」。
『50組のイブ~エッチ朝までウォッチング~終着駅・ホテルまでの全経路‘89』(「微笑」<祥伝社/90年12月29日号>)
などと面白いタイトルが多数見られますが、バブル当時は取材費もあったんでしょうね。しかし、一転してバブル崩壊以降は、さほど笑える記事タイトルもなく、唯一、
『クリスマスプレゼント「これ」をくれたら“やらせて”あ・げ・る』(「FLASH」<光文社/97年12月30日号>)が5秒間ほど失笑を誘ったくらいだったのは、やはり日本全体が地味になったためか。
先ほど筆者は、「ううむ、ということはバブルの夢はじけたゆえに、大衆は『クリスマス』を求めたのか」と書いた。「クリスマス」の記事数は増加するものの、地味でお金なく楽しむ傾向が明らかに見て取れる。これは健全になったというべきか。あるいは、アベノミクス好景気を願いながら、過激記事の復活を祈るべきか。
と、ここで終われば良いものの、あえて陳腐な結語を申し上げる。
華やかでも、華やかではなくても。家族連れでも、ひとりきりでも。カネがあっても、カネがなくても。昨年と同じく、幸せなクリスマスを。
(文=坂口孝則/購買・調達コンサルタント、未来調達研究所株式会社取締役)
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