規定違反だらけ?ファイナンシャルプランナーは信じてはダメ?
企業系FPと独立系FP
FP業界内では、FPは企業系FPと独立系FPの2つに大きく分けられる。
前者はFP資格を持っていて、生保や銀行など企業や団体に勤める社員・職員、後者は自分で事務所を立ち上げ自営するFPである。また、もともとは税理士や社会保険労務士などで、FPとしての業務を行っている者も独立系FPに入る。むしろ、FP資格だけを持ってFP業務を行っている者は少数だ。
ここで問題なのは、企業系FPの立場だ。まずは、以下の日本FP協会の会員倫理規程の一部をご覧いただきたい。
<日本FP協会 会員倫理規程>
・第1条 会員は、順法精神に基づき、顧客の利益を最大限に実施しなければならない。
・第2条 会員は、顧客に対して、その業務の適正、公平さを保つために必要なすべての情報を開示したうえで、専門家としての業務を公平かつ道理に適った方法で提供しなければならない。
・第3条 会員は、利益相反事項がある場合は、これを顧客に開示しなければならない。
企業系FPは自社商品を優先?
つまり、FPはあくまで「顧客第一」を義務付けられているが、企業系FPの場合、どうしても自社商品や自社サービスの提供を優先しがちになり、顧客にとって最大限の利益とはならず、利益相反の関係になる可能性が高い。
実態としては、企業にとってFP資格は、対内的には社員教育や人事評価の一環として、対外的(消費者)には、イメージ戦略のひとつにすぎないと言っていいだろう。前述の生命保険のCMは、まさにイメージ戦略そのものであろう。
独立系FPはマージンの高い商品を押し付ける?
一方、独立系FPも、企業系FPのような自社商品を持ってはいないので、顧客の利益を最優先に考えている……とは、必ずしも言えない実情がある。
それは、FPが保険などの代理店になっている場合だ。例えば、保険の加入や見直しについて相談すると、一部のFPは顧客に合った商品を提供せずに、FP自身にとっておいしい、マージンの高い商品などを押し付けるのである。