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「3つ買うともう1つオマケ」買いたくなるのはなぜ? 無意識を利用する「フレーミング効果」

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「3つ買うともう1つオマケ」買いたくなるのはなぜ? 無意識を利用する「フレーミング効果」の画像1※画像:『経済は「予想外のつながり」で動く』(ポール・オームロッド/著、望月衛/訳、ダイヤモンド社/刊)

 この記事の筆者の自宅近くにあるコンビニでは、「この商品を期間内に5つ買うと、好きな商品を1つ無料で差し上げます」というキャンペーンが定期的になされています。このキャンペーン広告を見ると「お得だなー」と感じて、ついつい対象商品をカゴに入れてしまいます。キャンペーン期間の最終日には、無理やり自分を納得させて対象商品5つをレジに持っていったこともあります。その日は3食ともその商品でした。

 『経済は「予想外のつながり」で動く』(ポール・オームロッド/著、望月衛/訳、ダイヤモンド社/刊)は、人は「合理性」に基づいて動いているわけではないということを解き明かした本です。

 通常、経済学的に人々の行動を予測する場合、人間は全て自分の利益を最大化することを考える、「合理的なかしこい生き物」であるという前提に基づきます。しかし、現実には「2着目1000円!」という広告のせいで必要でもないスーツを買ったりするなど、人間は合理的とはいえない行動を取ったりもします。

■「フレーミング効果」が私たちをダマす

 実は人間は同じ内容の質問をされたときでも、選択肢の見せられ方によって回答が左右されてしまうのだといいます。先ほどの「2着目1000円!」という広告も、「スーツ全品50%オフ!」と表示した場合よりも売上が伸びるのです。実際には、どちらの割引き方法でも客が支払うスーツ1着あたりの金額はほとんど変わらないのですが、2着目1000円という割引き方のほうがお得に感じるといいます。

 このように、選択を行う際に、選択肢の見せられ方によってある特定の回答に引きつけられることを「フレーミング効果」といいます。このフレーミング効果は私たちの周りの様々なところで使用されており、無意識のうちに私たちの行動は他者に操られているのです。

■臓器提供に同意「しない」場合はチェックしてください

 ドナーカードに代表されるように、仮に私たちが脳死状態に陥った場合、自分の臓器を他者に提供するか否かの意思表示をするカードがあります。臓器提供に同意する人の割合は、実は国によって大きく差があり、国ごとの文化の違いがその差をもたらすのだと考えそうですが、同じような文化を持つヨーロッパの国々でも同意の割合はバラバラなのです。ある国は20%以下の同意率である一方、別の国は90%を超える同意率を記録しています。

 臓器提供に多くの人が同意する国では、実はアンケート欄にカラクリがあったのです。「臓器の提供に同意を『しない』人は、この欄にチェックを入れてください」という書き方をしている国では、ほとんどの人がチェックを入れず、臓器提供に同意をしています。これは、「わざわざチェックを入れてまで拒否したいとまでは思わないな」という様にうまく人間の心理を誘導した結果であり、典型的なフレーミング効果の一例なのです。2着目のスーツならば笑って済ませる人も、臓器の提供となるとフレーミング効果の重大性に気づくでしょう。

BusinessJournal編集部

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