事業計画書のなかでは、これらを単に「●●で×年働いた」というようなあっさりした記載ではなく、強調すべきところはしっかり強調して書くことが重要になります。
■地に足のついた売上計画を示す
融資をする側にとって最大の関心事は「確実に返済してもらえるのか」ということ。そこで、事業計画書には、以下の式を満たすような予測損益を示すことが求められます。
税引後利益+減価償却費>年間の返済額
「税引後利益」とは、税金を納めた後に最終的に残った利益を指します。これは創業前ということもあり、甘く見積もられがちですが、当然、地に足の着いた予測を示さなければなりません。そこで中野さんは、事業計画書だけでなく、売上予測の根拠となるような、注文書のコピーや営業先のアタックリスト、価格表といった添付資料を付けることも薦めています。
■融資された資金の使い道を明示する
中野さんは起業についてさまざまな相談を受けるなかで「どんな業種でも、借入限度額めいっぱいまで融資を受けられる」と勘違いしている人をよく見かけたといいます。「使う範囲内」でしか借りられないということを理解しないまま、事業計画書を作ってしまうケースが少なくないのです。
そこで、事業計画書では、「なぜ、これだけの額が必要なのか」をきちんと示す必要があります。
今回は「事業計画書の作り方」について取り上げましたが、本書にはそのより具体的な作成方法や創業融資の審査をパスするための心得、そして創業時の補助金や助成金の受け方なども解説されています。
巻末には、実例集として、いくつかの事業計画書も掲載されています。これは、「創業」に特化した本書ならではのもの。創業融資を何としても勝ち取りたい起業家の方は参考にしてみると、いい結果に結びつくのではないでしょうか。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。