人に何かを説明するとき、一生懸命話しているのに相手にうまく伝わらない。そんな経験は誰にでもあるだろう。
思うがままに自分の伝えたいことを話していてはうまく伝わらないというのは当たり前の話。しっかりとポイントをおさえて話す必要がある。
『心を引き寄せる大人の伝え方集中講義』(石黒圭著、サンクチュアリ出版刊)は、「相手の気持ちや思いやり」「相手との距離を縮める」のに効果的な言葉づかいを、実際の社会の場面でよく使われるフレーズを用いながら解説している。
一般に「説明が苦手だ」という人は、「自分の話」ばかりに意識が向き、聞き手の関心や理解に意識が向いていないという傾向があるという。では、どこに気をつけるべきなのか。
自分が話す内容を聞き手にきちんと理解してもらうには、2つのポイントがあるそうだ。
1.聞き手の注意を引きつけること
2.聞き手にとってわかりやすく伝えること
この2つのポイントは欠かせない。これを基本として、話の内容を整理し、組み立てていくといいという。
例えば、要点を先に示すこと。話し手はいきなり頼み事をするのがぶしつけだと感じ、要点を後回しにする傾向がある。しかし、聞き手は結論を先に言ってほしいと思っているもの。相手が何をすべきかを先に示し、そのあとに理由を述べるのが賢い伝え方だと著者は述べる。
ただ、要点を先に示すだけでは、聞き手がその要点を聞き流してしまうおそれがある。そこで、聞き手の注意力を高めるために、「ここに興味深いデータがあります」「これまでにない画期的なシステムです」など、これからいかに大事なことを説明するかを予告するとよい。
また、憶えてきたことを話しても、相手の心には届かない。記憶の再現ではなく、その場で考えたことを肉声で語ることも大事だ。「えー(と)」「あのー」「なんだろう」といった自分の記憶を再生するときに出がちな言葉は、相手に対しての配慮を欠けさせてしまう。そのとき考えている言葉を使うようにするべきだろう。
ひとりよがりにならないように、まずは聞き手の気持ちになって準備をすることが大切だ。ちょっとした言葉づかいの違いで、相手への伝わり方が大きく変わるもの。本書では説明する場面の他にもさまざまなシチュエーション別に465の例を掲載されており、参考になる場面は多いはずだ。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。