春は一年のうちでも、「怒り」やすい時期といいます。
というのも、春は「怒り」を引き起こす材料に事欠かないのです。
その筆頭は花粉症でしょう。一日中、目の痒みや鼻水が止まらず、常にイライラのしっぱなしです。
花粉症ではない方も、油断はできません。一年のうちでも寒暖の差が大きい春先は、自律神経のバランスが乱れ情緒不安定になりやすい時期なのです。
昔から、新緑の季節でもあるこの時期は「木の芽時(このめどき)」と呼ばれ心と体の不調が起きやすいことで知られています。
さらに、春は進学や人事異動などで、私たちを取り巻く環境がガラリと変わります。ストレスが溜まって怒りやすくなっている時期といえるでしょう。
■あなた自身も「バカ」と思われる恐れがある
怒っても、基本的に良いことはありません。ムカムカしていやな気分になるだけでなく、人間関係を悪化させる原因にもなります。何より、怒っている姿はみっともなく、人から「バカ」に見られてしまう恐れがあります。
あなたの周囲の怒りっぽい人を想像してください。「何であんなに怒ってんの? バカバカしい」と思いませんか。職場でも、怒りにまかせて高圧的に怒鳴り散らす上司は職場の鼻つまみ者で、軽蔑の対象でしょう。
大人であれば、冷静に対処すべきところを、感情を抑えきれず周囲に当たり散らす人は、精神的に成熟していないと思われても仕方がありません。怒りは、周囲から最も「バカ」だと思われやすい感情の一つと言えます。
しかし、春先は心が乱れて、ただでさえイライラして「怒り」が爆発しやすくなっています。油断すると、あなた自身が「バカ」になってしまいます。では、どうすればよいのでしょうか。
そのために有効な、“3秒で怒りが収まる” 24のテクニックが紹介されているのが、精神科医の和田秀樹氏による『「もう怒らない」ための本』(アスコム刊)です。
■3秒で怒りを静める実践的なテクニック
方法はどれも実践的。例えば、「イラッときたら『3秒深呼吸』」は最も簡単で使いやすい手法です。医学的にも、脳が酸欠状態になると怒りやすくなるそうで、深呼吸をするのは単に一息つくというだけでなく、理にかなった対策だといえます。
また、「怒り」の感情を古館伊知郎さん風に実況中継するというユニークな方法も載っています。例えば、夫がパジャマを脱ぎ散らかしてイライラしている妻の場合「おお、パジャマを脱ぎ捨てている。お腹が出てきているぞ。今度の健康診断は大丈夫か。メタボまっしぐらだ~」と「怒り」が起きている状況を、心の中でこっそり実況してしまううちに、怒りが静まるというもの。