たとえ普段の生活の中でストレスを感じても、それは目に見えるものではないのでためこんでしまう人は多い。それがいつの間にか自分自身を圧迫していってしまう。
イライラや緊張、不安といったものから生まれるストレスをどのように整理すればいいのか。『ためない心の整理術』(岸本葉子著、佼成出版社刊)は、モノ、体、言葉、そして人間関係の4つの章を通して、読み手の心を優しく解きほぐしてくれる。その中から2つ、ご紹介しよう。
■深呼吸をする
人間はイライラしたり緊張したりすると、呼吸が浅くなる。なかなか意識できないことだが、焦っているときに少し自分の呼吸を意識してみると、自然と浅くなっていることに気づくはずだ。
心を落ち着かせたいときは、深呼吸が効果的。岸本さんが坐禅会で教わった呼吸法は、お腹から押し出すように、少しずつ長く息を吐き、吐ききったら軽く吸うというもの。繰り返すうちに自分の中の重心が下がっていくようで、それにつられて瞼も下がる。そして眠くなるという。眠くなるまでしなくても、この呼吸法を意識することで、なんとなく落ち着くはずだ。
■肩を下げてみる
緊張を感じた時に人間の体に起こるしぐさは他にもある。それが「肩が上がる」という現象だ。写真撮影の際にカメラマンから「肩に力が入っていますよ!」と言われたことがある人は少なくないはず。知らない間に私たちは力を入れてしまうのだ。
なので、ふと「今、自分はストレスがたまっている」と感じたら、「肩を下げる」ことを岸本さんはおすすめしている。
「肩を下げる」とは上半身から力を抜くということ。軽く息を吸い、吐く際に重力に任せる感じですとんと落とす。ただゆるめすぎると、背中まで曲がってしまうので、頭のてっぺんに紐がついていて、天井から吊り下げられているイメージを持てればいいだろう。
こうすることで、自然体の理想形である「上虚下実」、つまり、上半身は力が抜けていて、下半身は力強く張りがある状態になることができる。
心が落ち着いていなければ、冷静な判断はできない。焦ってしまうと余裕がなくなってしまう。本書には心を整理する方法が掲載されている。まずは自分の心が緊張していると思ったら「深呼吸」「肩を下げる」ということを試してはいかがだろうか。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。