夫婦のすれ違いの火種の一つといえば、金銭感覚の違いです。
独身時代とは違って、結婚すると財布は1つ。いずれかが管理することになれば、いずれかがお金を自由に使えなくなり、そのストレスから夫婦仲も悪くなる…という風に、悪循環に陥るケースが多いのです。
『20代、結婚までに知っておくべきお金の使い方』(野瀬大樹、野瀬裕子著、クロスメディア・パブリッシング刊)は、公認会計士同士で結婚した夫婦による一冊で、結婚後のお金の使い方を実体験を通して教えてくれます。そんな本書によれば、今、自分がお金を使っているものの中で「何がムダなものか」を把握することによって、お金の使い方が大きく改善できるそうです。
■ムダな買い物をやめるには「時間単位」で値札を見る
夫の大樹さんはお金にルーズなタイプ。毎月のお小遣い5万円は、すぐに手元から消えていきます。では、一体何にお金を使っているのか? 大樹さんと裕子さんが一緒に計算してみたところ、大樹さんが毎日職場でコーヒーショップのラテ(380円)を飲んでいることが分かりました。
「380円」、この値段だけ見ると、高さは感じません。しかし、問題は1カ月、そして1年単位で計算したときです。
私たちがモノを買うとき、たいていその値段を見て高いか低いかを判断します。例えばパソコン1台15万円、どう考えても高いですよね。しかし、もしそのパソコンを5年間毎日使うとして、「年」「月」「日」で割ると、こんな値段になります。
<年あたり3万円/月あたり2500円/日あたり83円>
1日あたりで換算してみると、実は缶コーヒーやペットボトルのお茶1本分よりも、パソコンの方が「安い」ということになります。もちろん、通信費なども入ってきますが、少なくとも値札についている値段上では、非常に安いのです。
大樹さんのように380円のラテを毎日職場で飲むと、1年あたり9万5,000円にものぼります(1カ月では約8,000円)。でも、缶コーヒー(120円)ならば、職場で働いている日に毎日飲んでも1年あたり3万円。これならば、ラテを我慢して缶コーヒーにするという選択肢が生まれますよね。
■「どうしても必要なもの」と「どうでもいいもの」に分ける
しかし、「コーヒーショップのラテを飲まないと、全くモチベーションが上がらない」というように、値段が高くても自分にとっては必要なものもあります。そんなときは、「自分にとって必要なもの(好きなもの)」と「実はそこまで必要じゃないもの」を分けると良いと言います。
「実はそこまで必要じゃないもの」の代表的なものとして、以下の5つがあげられます。
・昔から習慣として買い続けている雑誌
・特に使わないけど払い続けている会費やインターネット関係の料金
・煙草やお酒など依存性の高いもの
・会社の同僚など固定メンバーでの頻繁な飲み会(という名の愚痴り合い)
・付き合いと称してなんとなく参加している合コン