デジタル社会による情報過多や複雑になる社会のストレスで、「脳過剰負荷」の時代が到来している。私たちの脳は疲れているのだ。
そう述べるのは、『疲労回復 最強の教科書』(久賀谷亮著、SBクリエイティブ刊)の著者であり、医師の久賀谷亮氏。
本書では、脳科学を中心に最新の科学的データに基づき、脳と私たちの人生に「スペース」を増やすことで疲労を回復し、脳のパフォーマンスを上げるスキルを紹介している。
■どうしてもネガティブになるときにすべきことは?
では、脳のパフォーマンスを上げる方法とはどんなものなのか。
脳にスペースを作り、ストレスの原因となっている仕事から距離をとり、自分を開放し、自分に優しくなる。そこで、生まれた「スペース」を使って、疲労回復、パフォーマンスの向上、幸福を実現するというのが、この「疲労回復法」だ。
しかし、そもそも疲れてパンクしそうな脳。そこにスペースを生む余裕をつくるにはどうすればいいのか。
ネガティブな気持ちになるときは誰にでもある。
将来を悲観すると、その不安から脳のスペースを奪い、脳を疲弊させてしまう。そうならないためには、今より3割ほど楽観性を高めることを著者はすすめる。
参考になるのが厳しい世界で戦うスポーツ選手たち。
スポーツでは「モーター・イマジナリ(動きのイメージのトレーニング)」というトレーニングがよく使われている。たとえば、元巨人軍の長嶋茂雄氏は、打席に入る前にヒットを打ち、塁を爽快に回る自分の姿を想像していたそうだ。
こういった良いイメージをすることで、ネガティブなループから抜け出し、後ろ向きな思考が脳を占める割合も減るという。
■「まいっか」「しょうがない」が自分の暴走を止める
また、完璧を求めると、その理想と現実のギャップによって自尊心の低下につながることがある。完全を求め過ぎると脳が全力稼働してバーストするのだ。
そういうときの対処法は、「まいっか」「しょうがない」を口癖にする。完全主義を止めることで、脳が鎮まり、新たなスペースが生まれる。
「まいっか」を口癖にすることで、無理せず、自分のコントロールできる範囲を理解することができるようになるのだ。
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最近疲れていると感じている人は、脳疲労がたまっているのも原因の一つかもしれない。本書で紹介されている疲労回復法は、今日からでも試すことができるものばかりなので、本書を参考に脳のスペースに余裕を持たせてみてはどうだろう。
(T.N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。