新型コロナウイルスの国内での感染拡大はピークを過ぎたという見方が強くなっている昨今だが、まだまだ日常が戻るのは先だろう。そんななか、なんとなく憂うつで、仕事も勉強も片付けもやる気にならない、ぼんやりとした不安を抱えたままという精神状態になりがちだ。
ダラダラと一日が終わってしまえば、だらしない自分を責めてたくもなる。
けれど、そんな憂うつな気分は「だらしないから」「甘えているから」という理由から陥るものではない。
■未来のことは未来の自分に任せよう
「憂うつな気分になるのは先のことを考えるから」であると述べるのが、『憂うつデトックス – 「未来の不幸な自分」が幸せになる方法 -』(大嶋信頼著、ワニブックス刊)の著者であり、カウンセラーの大嶋信頼氏だ。
大嶋氏いわく、憂うつな気持ちになりやすい人の共通点は、先のことを考えて「不幸なことが起きる」と思っているところだという。いろいろなことで迷って、考えに考えて悩んで出した結果が失敗になる気がする、というのは、「未来の選択肢」がたくさん見えているからだ。
この未来の選択肢を少なくするために「バカを演じる」という方法を大嶋氏は提案している。これには少し説明が必要だろう。「バカを演じる」というのは、「未来の決断は未来の自分にまかせてしまおう」ということ。
未来の自分はきっと今よりももっとさまざまな失敗から学んでいるはず。だから、「今の自分」は「未来の自分」を信用して、先のことを考えてくよくよするのはやめようということだ。
たくさんある選択肢の中から自分で選ぼうとすると、未来を知ることでどんどん未来が変わってしまうので、どれを選んでも失敗になってしまう。それなら、「私には未来のことはわかりません!未来のことはその時の自分が決めてください」と未来の自分に任せる。これが「バカを演じる」ということ。
すると、それを哀れに思ったたくさんの選択肢の中に生きている別の時間の自分が「こっちを選択したほうがいいよ!」とふさわしい道へと導いてくれる。結果、自動的に一番いい方向に進めるようになるという考え方だ。
人間関係でも、やりとりを考えそうになったら「バカになる」と頭の中で思って、考えることをやめてみることで、関係も良くなっていくという。
憂うつになってしまう原因のひとつは、未来のことを考えすぎてしまうからなのかもれない。それならば、先のことは考えないこと。憂うつでやる気が起きない。そんな人は、本書の憂うつな気持ちから脱却する方法を試してみてはどうだろう。
(T・N/新刊J P編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。