1日に15分から30分程度の運動をしない人は、平均寿命が3~5年短いという。
運動不足は、肥満やメタボリックシンドローム、うつ病など、さまざまな病気の原因にもなってしまう。とはいえ、もともと身体を動かすことが苦手で運動の習慣がない人が、急に運動を始めたとしても、なかなか続くものではない。
また、運動全てが「寿命をのばす」かというと、そういうわけでもないようだ。
『「安静」が危ない!1日で2歳も老化する!』(上月正博著、さくら舎刊)から、寿命をのばす運動とのばさない運動の違いについてご紹介しよう。
■「運動ならなんでも体に良い」わけではない
運動はさまざまな病気を予防するが、その内容によっては、寿命をのばすものとのばさないものがあると上月さんは指摘する。
運動には、大きく分けて有酸素運動と無酸素運動の2種類がある。有酸素運動は、ウォーキング、ジョギング、水泳など、酸素をたくさん取り入れて脂肪を燃焼する運動。一方、無酸素運動は、短距離走や重量挙げなど、瞬発力を必要とする運動だ。
ただし、同じ種類、同じスピードの運動でも、個人によって強さや効果は異なる。個人の基礎体力、年齢、体重、健康状態により、有酸素運動になったり無酸素運動になったりすることもある。
また、有酸素運動と無酸素運動では、身体に与える影響が大きく異なる。
有酸素運動の効果は、持久力の向上、体脂肪の減少、肥満の解消、心・肺機能の向上、血圧の低下、耐糖能の改善、HDLコレステロールの増加、血小板凝集能の低下、免疫機能の強化、寿命の延長などがある。
一方、無酸素運動の効果は、筋肉の肥大、瞬発力の向上、反応するまでの時間の短縮などになる。
つまり、病気を予防して、寿命をのばすのに必要な運動は有酸素運動ということになる。
運動ならなんでも身体によいというわけではなく、「自分に合った軽い運動」をすることが身体にとって重要なのだ。
■毎日の生活習慣の見直しを
ある大学の卒業生を対象にしたいくつかの報告では、大学在学中にスポーツに参加していた競技者とそうでない人の死亡年齢には差がなく、大学在学中のスポーツ活動よりも、その後の生活習慣のほうが寿命に与える影響が大きい可能性があることが示されているそうだ。
若いときに運動することも重要だが、生涯にわたって適度な運動を長く続けることがより重要ということだ。
本書の「らくらく運動療法」は、「転倒防止」「寿命をのばす」「見た目が若返る」「運動障害予防」の4種類の運動を紹介。身体を若返らせ、老いない身体をつくるためにも、「らくらく運動療法」を試してみてはどうだろう。自分に合った運動を続けることで、健康な身体を維持することにつながるはずだ。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。