難関資格試験の講座をオンラインで配信する「資格スクエア」の創業・代表者であり、自身も開成中学・高校、東京大学、そして司法試験と難関試験を突破してきた鬼頭政人さん。
勉強のプロともいえる鬼頭さんは、「結果を出せるようになるためには自主学習、つまり独学力が必要だ」と考える。その鬼頭さんの考えを凝縮したのが『開成→東大文I→弁護士が教える超独学術 結局、ひとりで勉強する人が合格する』(幻冬舎刊)である。
勉強は効率と継続、その2つがほとんどだ。ところが継続できない人が多いのだという。
インタビュー前編では「なぜ人は続けられないのか」「続けるために必要な4つの要素」についてお話をうかがったが、後編ではまず鬼頭さんの「挫折」的な経験が、勉強を学ぶ楽しさに目覚めていくという子どもの頃のエピソードから話を聞いていく。
■衝撃だった四谷大塚でのエピソード 頭の良い人と一緒に勉強することの意味
――超難関試験を突破し続けてきた鬼頭さんですが、本格的に勉強に目覚めるきっかけのエピソードはありますか?
鬼頭:中学入試のときでしょうか。当時の自分にとってすさまじく勉強しました。
というのも、もともと私は小学6年生の8月まで大手の塾に通っていなかったんです。地元の個人塾でそれこそゼミ形式の授業で勉強をしていて、でもその塾の中では圧倒的にできるわけですね。
だから天狗になっていたところがあったんです。そうすると勉強がつまらなくなる。それを壊したのが、8月から行き始めた四谷大塚でした。開成に受かるための選抜コースに入ったんです。
そのコースは、生徒は30人しかいないんですが、とにかく頭の良い人ばかりで、そこで初めて自分はたいしたことがないということを知ったんです。フィードバック面談という父母面談があるのですが、そこでも「頭の良い子ではないですね」と言われたりとか。
私はそこで腐ることなくて、逆に「こんなに頭の良い奴らと一緒いられるのが面白い」と思っていました。競争というかモチベーションになりましたね。
――書籍でも頭の良い人と勉強することが、自分を引き上げていくと書かれていますよね。
鬼頭:まさにそうですね。算数でも問題を見た瞬間に計算せずに答えが分かってしまう人とかいましたから。でも、逆にそういう子は国語が苦手だったりするので、総合なら勝てるかも、と思ったりしていました。
よく、運動系の部活ですごく上手い人が一人いると、その部活の全体のレベルが上がるという話がありますよね。日本のテニスも錦織圭選手の強さに引っ張られて、若手も成長してきているということがあります。
――四谷大塚ではどのように勉強をするのですか?
鬼頭:テストがすごく多かったですね。しかも抜き打ちで、難問ばかり出るような。しかもテストを返されるときは、点数の良い子から呼ばれるという(笑)。でも、30人全員開成中学に合格しました。
私はそのクラスの中では成績が良い方ではなかったけれど、点数よりも勉強をして新しく知ることの楽しさが勝っていましたね。おそらく一番勉強を楽しんでいた時期だと思います。