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悲惨な最期を迎えた女性芸能人【自殺編】

自殺した女性芸能人たち…岡田有希子、日テレアナ、可愛かずみ…彼女たちが命を絶った理由

文=峯岸あゆみ
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竹内まりや提供曲だけを集めた岡田有希子のメモリアルアルバム 『岡田有希子 Mariya’s Songbook』(ポニーキャニオンより2019年に発売)

 悲惨な最期を迎えた女性芸能人に焦点を当てる4部構成による本シリーズ、「殺人事件」「事故」に続いて、第3回目のテーマは、「自殺」である。

 リアリティ番組『テラスハウス』(フジテレビ系)に出演していた女子プロレスラー・木村花の死は社会に大きな衝撃を与え、あらためてSNSのあり方に関する議論を巻き起こした。この例に限らず実は自ら命を絶つ芸能人は、事件や事故に比べて格段に多い。そのなかで、特に世に与えた衝撃が大きかった5つの死を振り返りたい。

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オリコン1位獲得直後、岡田有希子の衝撃死 

 現役トップアイドルの自殺という極めてショッキングな出来事が起きたのは、1986年の春だ。

 当時、妊娠により活動を休止していた松田聖子の所属事務所の後輩アイドル・岡田有希子は、同年1月にリリースしたシングル「くちびるNetwork」で、初のオリコンウイークリーチャート1位を獲得した。同曲は、松田の作詞、坂本龍一の作曲、カネボウ化粧品CM曲という話題性十分の楽曲であり、岡田を“ポスト聖子”として印象づけようとする関係者の戦略が見え隠れするものだった。

 春のコンサートツアーがスタートし、さらなる飛躍が期待されていた岡田だったが、そのメンタルはかなり不安定な状態に陥っていた。同年4月8日朝、自宅マンションでリストカットを行った上で、ガス自殺を試みるのだ。幸い、同じマンションの住人が異常なガス臭を察知したことで、駆けつけたレスキュー隊に助け出され、未遂に終わっている。

 部屋でうずくまって泣いていたという岡田は、病院で治療を受けたあとに、関係者とともに所属事務所のオフィスに移動した。

 ここで、事務所関係者は、悔やんでも悔やみきれない失態をおかす。その日の午前中に1度は死のうとした彼女を一瞬、1人にしてしまうのだ。12時15分、岡田は、事務所が入居するビルの屋上に駆け上がると、そこからダイブしてしまう。18歳のアイドルは、アスファルトの地面に叩きつけられ絶命した。

 現役トップアイドルによるこの白昼の飛び降り自殺の衝撃は大きく、後追い自殺をするファンが複数存在した。

 なお、その自殺の原因については、ある俳優との恋愛問題のもつれなどさまざまな憶測が流れたが、詳細は明らかになっていない。

岡田有希子の一週間前に亡くなったアイドルがいた

 実は、この岡田有希子が自殺する約1週間前にも自殺した17歳のアイドルがいた。名前を遠藤康子という。

 1985年、テレビドラマ『スケバン刑事』(フジテレビ系)で、斉藤由貴演じる主人公の麻宮サキと敵対する悪役を演じて注目を浴びた彼女は、1986年の5月にアイドル歌手としてデビューする予定だった。ところが、デビューを控えた同年3月30日に、台東区浅草橋のビルの屋上から飛び降りて、自ら命を絶ったのだ。

 当時、デビューにあたり交際相手と別れるように強いられたことが自殺の動機だという説もあったが、親族や関係者はこれを否定している。

謎が残るアナウンサーの立て続けの自死

 アナウンサーという花形職業についたものの、その後、自殺という道を選んだ女性の例は実はいくつもある。

 2007年、第1子出産後、原因不明の病気に苦しんでいた大杉君枝(日本テレビ)が育児休暇中に自殺。2001年に、フリーになった米森麻美(元日本テレビ)が第1子出産から約3週間後に急死したことが発表されているが、これも自殺だと見られている。また、2010年7月には前年3月に結婚したばかりの山本真純(日本テレビ)が、飛び降り自殺を遂げた。なぜ日本テレビに集中しているのか? その因果関係は不明である。

 また、不可解な点が多かったのは、元TBSの川田亜子の死だ。2002年に入社した彼女は、多くの番組に出演し、短期間で人気アナウンサーとなった。2007年3月に退社してフリーとなったあとも仕事に恵まれていたが、2008年5月25日、東京都港区海岸の路上に駐車されていた車内で練炭自殺を図った。亡くなる直前、ブログに自らの悩みを書き込んでおり、特に5月12日には、「母の日に私は悪魔になってしまいました」といった内容が記され、閲覧者を心配させていた。

松平健の妻が自宅で首吊りの悲劇

 1984年に菊池桃子、荻野目洋子、長山洋子、そして岡田有希子と同期デビューしたアイドル・松本友里も、自ら死を選んだ。

 俳優の父親と宝塚歌劇団出身の母親を持つ彼女は、歌手としては成功しなかったものの、以後も女優として地道に活動を続けた。そして、『暴れん坊将軍』(テレビ朝日系)で共演した松平健と恋愛関係になり、2005年に結婚。それ以来、芸能活動を休止し、翌年には男児を出産した。パートナーの松平健の仕事も順調で、幸せな家庭生活を送っていると思われた。

 ところが、2010年11月、自宅のドアノブにロープで首を吊って倒れているのが発見されるのだ。生前の彼女については、母親の介護生活を経て死別してからは、うつ状態だったとの報道もあった。

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1984年10月に発売された松本友里のアルバム『エンジェル・パンチ』。写真は、ソニーミュージックがCD版として発売したもの。

プロ野球選手の住むマンションから飛び降り死

『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)などバラエティ番組でも活躍した人気女優が、元恋人のプロ野球選手が住むマンションの7階から飛び降り自殺……この出来事もまた衝撃的だった。

 1997年5月、都内のマンションの前に人が倒れているとの通報により、救急車が駆けつける。倒れていた人物は、すでに心肺停止状態であったという。亡くなったのは女優の可愛かずみであり、当該マンションには、当時はヤクルトスワローズに在籍していた投手・川崎憲次郎が住む部屋があった。

 実は、可愛と川崎はかつて交際しており、結婚も噂される関係だったが、川崎の申し出により別れたといわれている。またその後、可愛はリストカットを繰り返すようになったという説もある。

 この自殺は、単純に考えると川崎への当てつけのようにも思えるが、没後に、彼女は別の婚約者と近々結婚する予定があったことが判明。不可解な印象を残した。

 近年の日本において、年間の自殺者数はもっとも多かった2003年(3万4427人)よりは減少傾向にあるが、それでも年間で2万人以上の人が自ら死を選んでいる。「もっと話を聞いてあげればよかった」「力になってあげたかった」。悲劇が起きてからの、周囲の人々の言葉は、いつも虚しいものである。

峯岸あゆみ/ライター

峯岸あゆみ/ライター

CSと配信とYouTubeで過去のテレビドラマや映画やアイドルを観まくるライター。ベストドラマは『白線流し』(フジテレビ系)、ベスト映画は『ロックよ、静かに流れよ』(1988年、監督:長崎俊一)、ベストアイドルは2001年の松浦亜弥。

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