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「俺の実力はこんなもんじゃない」――自己愛過剰な人、やたらと嫉妬してくる人への対処法

新刊JP
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 自分の持っていないものを持っている人を妬んだ経験は誰にでもあるだろう。また、他人よりも我が身が大事なのも当たり前のことだ。

「嫉妬」と「自己愛」はやっかいな感情だ。誰もが持ち合わせているにもかかわらず、それがあまりに過剰だったり、歪んだ形になると、人間関係のトラブルに直結するからである。

■本人だけが「俺の実力はこんなもんじゃない」と思っている

 「自己愛」について例を挙げてみよう。

 過剰な自己愛は、自分が傷つく可能性のある選択肢を取らないといったところに表れる。結果起きるのは、職場で難しい仕事から逃げたり、失敗を他人のせいにするといった行動である。当然のごとく職場では評価も信頼もされないが、本人だけは「自分の実力はこんなものではない」と思い込んでいる。自他問わず、心当たりがある人は多いのではないか。

『嫉妬と自己愛―「負の感情」を制した者だけが生き残れる』(中央公論新社刊)の著者で作家の佐藤優氏は、現代を「嫉妬と自己愛の時代」として、人間関係を円滑に回すも、トラブルを抱えるも、これらの感情をマネジメントできるかどうかだという。

 先述のように、自己愛を過剰に持つ人だとしても、自分の部下として職場にいたのなら責任感をもって仕事をさせなければいけないし、嫉妬のついても無自覚でいるのは危険だ。どんなに能力が高い人であっても、他人の嫉妬に鈍感では、組織内で足をすくわれることになりかねない。

 自分の感情のマネジメントも大切だが、「他人の感情」こそ侮れないのである。

■周囲の嫉妬に足をすくわれないためにすべきこと

 では他者の嫉妬や自己愛をいかにマネジメントすべきか。嫉妬については、能力の高い人の場合、ある程度周囲から嫉妬の目で見られるのは避けられない。大切なのは、その嫉妬心を刺激しないことだ。

 嫉妬心を燃やす以上、自分が劣っていることは内心認めているわけで、そこには自覚あるコンプレックスが伴う。このコンプレックスを必要以上にいじることだけは避けなければいけないと佐藤氏は言う。

 本当に触れられたくない部分に触れられると、人間は抑制がきかなくなる。その時、嫉妬心は敵意に変わるのだ。

■自己愛過剰な部下に上司はどう対処すべきか

 他者からの嫉妬よりも厄介なのが、「自己愛」が過剰な人への対処法だろう。

 自己愛から、失敗を恐れて土俵に上がらない人や、言い訳ばかりで仕事から逃げる人は、結果としてチーム全体の総合力を押し下げてしまう。これは仕事でもスポーツでも同じだ。

 こうした人を根本から変えるのは難しい。叱られてやる気を出すタイプではないし、褒めたからといって、責任を持って仕事をするようになるかというと、それはまた別の話だろう。

 こういう相手に対してできることは、できるだけ遠ざけておくことと、彼らの土俵に乗らないこと。冷たいようだが、できるかぎり自分のチームに配属されないようにすることと、配属されてしまったら、相手の土俵には上がらないことが大切だという。

 相手の土俵に上がるとは、相手の持つ自己愛を考慮してしまうこと。これではチームの総力は落ちてしまう。上司としては「とにかく結果を数字で見せてくれ」というドライな態度が、取りうる最善の対応なのだ。

『嫉妬と自己愛―「負の感情」を制した者だけが生き残れる』では、嫉妬と自己愛に代表される負の感情によって、仕事や人生の足を引っ張られないために何が必要かについて、佐藤氏ならではの考察がされている。

 感情面がこじれると、人間関係は簡単に泥沼化する。そのダメージは計り知れない。面倒なことになる前に、早めの対策は必須だろう。
(新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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