日本人の約8割が歯周病にかかっていて、むし歯をはるかに超えている!」という、怖いデータがあります。
ドラッグストアには棚一面に「歯周病予防」をうたう商品が並んでいるというのに、これだけ歯周病になる人が多い理由について、『歯医者に行きたくない人のための自分でできるデンタルケア』(アスコム刊)の著者で歯科医師の西原郁子さんは「“毎日のデンタルケア”の方法が間違っていること」をあげています。
「いくら歯周病予防の歯ブラシや歯みがき粉を使っていても、ケアの仕方が間違っていれば、歯周病にかかってしまいます。その結果、軽度の人も含めて『日本人の8割』というデータに繋がってしまうのです。しかも、一度なってしまうと改善するのは時間がかかり、これらの予防アイテムを使うだけでは治らないこともあります」(西原先生)
高齢者になればなるほど歯周病が進行するリスクが高まるそうですが、もちろん、若いから安心というわけではありません。「1年以上歯医者に行っていない」という人は要注意です。
放っておくと「歯を失って二度と元に戻らない」というのはもちろん、がん、糖尿病、アルツハイマー、肺炎のリスクも高まるということがわかってきている歯周病はかなり怖い病気ですが、もっとも身近な症状は「口臭」です。
暑さで喉が渇き、唾液が減る夏場こそ、知らず知らず口臭が強くなりがちです。口臭は自分では気がつかないことが多い上、人には言いづらいデリケートな話題……。でも、嫌なニオイで相手を一気に不快にさせてしまうため、大切な人間関係や商談の場を壊しかねません。
いくら容姿やファッションが素敵でも、お口のニオイに相手が「うッ……」となったら、百年の恋だって醒めてしまいます。そこで、いつでもどこでも「夏場の口臭を緩和できる必殺ワザ」を西原先生に伺いました。
<1>とにかく水を飲む!
こまめにお水を飲むようにして、とにかく口の中をカラカラにさせないこと。お口の中の食べかすや細菌もきれいにしてくれるので、うがいも一緒に行なうとさらにGOOD。とはいえ、水分の過剰な摂取はむくみや水毒症の原因にもなるので、水を飲むのは「口が渇いたら」を目安にして。
<2>歯ブラシでささっと歯をみがく
面倒かもしれませんが、歯ブラシセットを携帯して、ちょっとした隙間時間に歯をみがきましょう。ホテルや旅館に置いてあるような、使い捨ての歯ブラシが便利です。
<3>唾液腺マッサージをする
唾液腺マッサージとは、耳下腺(じかせん)、顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん)など3カ所ある唾液腺のポイントを、指で押すことによって唾液の分泌を促すマッサージ(イラスト参照)。サラサラとした唾液が出て、口の中を潤し、口臭緩和に一役買います。
<4>歯科クリニックで歯のクリーニングをしてもらう
今やコンビニより多いと言われる歯科クリニック。家の近く、職場の近く、はたまた通りすがりの歯科クリニックをもっと気軽に活用しましょう。歯周病の方の歯のクリーニングは保険診療の対象です。ふだんのデンタルケアで行き届かないところを、プロにフォローしてもらうことで、口臭のもととなるプラーク(歯垢)をキレイにできます。
もっとも、毎日のデンタルケアをちゃんと行っていれば口臭で悩むこともありません。自分で自分の歯の健康を保つために『歯医者に行きたくない人のための自分でできるデンタルケア』は一役買ってくれるはずです。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。