私が次々襲って来る細かいクレームを激減させた方法…クレームの「本当の原因」
仕事のパフォーマンスを著しく損なわせる要素はなんだろうか?
そう質問されれば、多くの方は「お客様からのクレーム」と回答するのではないだろうか。気分よく仕事を進めていた時に、突如としてクレームが発生する。そこから潮目が変わり、様子がおかしくなった経験が一度や二度あるだろう。誰でもクレームは嫌なものであり、できればかかわりたくないと思う。
営業職では、クレームのダメージは顕著に現れる。クレームを抱えた営業担当者は実力の半分も力を発揮できなくなり、あっという間にスランプ状態になってしまう。そこからV字回復するケースもあるが、そのまま会社を去っていく人も少なくない。本当に恐ろしいことだ。
では、本来持っている力を蝕んでいくクレームはなぜ発生するのか?
もちろん不可抗力で起こることもある。しかし、クレームの大半は自分自身で種をまいている場合が多い。これは私自身が身をもって体験してきた。私は“クレーム産業”といわれる住宅営業を11年間経験してきたのだが、その間、さまざまなクレームを頂いた。
やはり、ほとんどは自分自身に問題があった。そして、そのたびに痛烈なダメージを受け瀕死の状態に。ぎりぎりクビにはならなかったものの、成績はどん底だった。
優良客をクレーム客に
50代後半のお客様との家づくりでのこと。25年住んだ自宅を解体して建替える計画だった。私と会社を信用いただき、請負契約を結んでいただいた。打合せを十分に重ね、工事がスタート。今まで住んでいた家を解体する際の騒音などの問題は多少発生したものの、順調に工事は進み、無事に家を引き渡すことができた。
お客様には私たちの仕事に大変満足していただいたようで、「いろいろとお世話になりました。これからお客様をたくさん紹介しますから」と手を握ってくれた。営業担当者として一番うれしい瞬間である。
それから2カ月ほど経った時のこと。このお客様から、「ちょっと、見てもらいたい部分があるのですが」という連絡が入った。話を聞くと天井の一部に段差が出てきたということ。このお客様からの着信を見て、「もしかしたら紹介をもらえるのでは?」と思っていたこともあり、ちょっとガッカリしながら「わかりました。アフターメンテナンスによく言っておきます」と電話を切った。その後、メンテナンス部門に依頼書を送った。