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菊原智明「ワンランク上のビジネスパーソンを目指す!」

私が次々襲って来る細かいクレームを激減させた方法…クレームの「本当の原因」

文=菊原智明/営業サポート・コンサルティング代表取締役

 また、お客様からクレームの電話をいただいたら、必ず顔を出すようにするだけでも多くのクレームは防げるもの。最低でも傷口が広がることはない。

 クレームは火が広がる前に消しておくのが一番。では、クレームをこじらせてしまったらどうすればよいのか? その対処法についてお話しする。

一番の時間短縮

 30代前半のお客様との家づくりでのこと。このお客様は非常に細かい性格で、とにかく完璧を求めてくる。「このお客様と契約したら苦労するだろうな」とわかりながらも、商談を進めた。営業マンは数字の世界。当時の私には余裕がなかった。“背に腹はかえられない”と目をつぶって契約したのだ。

 案の定、工事が始まると次から次へとクレームをつけてきた。ひとつクリアすればまたひとつクレームが発生する。「もういい加減にしてくれよぉ……」とうんざりしながら対処していた。私の仕事は家を売ることであって、現場監督ではない。毎日、現場に行くわけにはいかないし、ある程度、現場監督に任せるしかない。お客様からの着信を見るたびに、うんざりしていたものだ。時には意図的に電話に出ないことも。こうした逃げ腰な態度が火に油を注ぎ、毎日のようにクレームが発生したのだ。

 こうなると営業活動どころではなくなる。「新規の契約を取らなくては」と思いながらもこのお客様のクレーム処理が気になって仕方がない。時間も精神も蝕まれていった。

 そこで私は、「こうなったら、このお客様にトコトン付き合うしかない!」と腹をくくることにした。そう決め、ほかの用事をすべて犠牲にしてまでも、このお客様と向き合った。

 その直後、クレームは徐々に減っていった。お客様は、物に対してクレームをつけていたわけではなかった。私の逃げ腰の態度に対して、繰り返しクレームを言ってきたのだ。

 この話を聞いて、「もっと簡単な方法はないのか?」と思った人もいるだろう。過去の私も、「なんとかしてうまくクレームから逃げる方法はないか、かわす方法はないか」と考えたものだ。しかし、そういう考えを持っている限りクレームはおさまらず、ますますこじれるばかりだった。とにかく腹をくくってしまうのが一番の時間短縮になる。

「どうしてクレームが次から次へ発生するんだ」と悩んでいる人もいるかもしれない。そんな時はぜひ、とことんまでお客様に付き合ってほしい。そのスタンスを見たお客様は納得し、クレームが劇的に減っていくものだ。
(文=菊原智明/営業サポート・コンサルティング代表取締役)

菊原智明/営業コンサルタント

菊原智明/営業コンサルタント

関東学園大学 経済学部講師、社団法人 営業人材教育協会理事。
7年間ダメ営業マン時代を過ごしたのち「営業レター【リモート営業】」をきっかけに4年連続トップ営業マンとなる。2006年にコンサルタントとして独立。現在は、経営者や営業マン向けのセミナー、研修、コンサルティング業務を行う。2023年までに約78冊の営業の本を出版。ベストセラー、海外翻訳多数。
営業サポート・コンサルティング 公式HP

Twitter:@kikuhara

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