日常での些細なことや、なんとなく気分が落ちることがあり、「イヤな気分」になることがあるだろう。その気分をいつまでも引きずってしまうと、本格的な「うつ状態」に陥ってしまう可能性もあるから問題だ。
イヤな気持ちから抜け出すためにはどうすればいいのだろうか。
『イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のすすめ 他人にも感情にも振り回されない方法』(玉川真里著、誠文堂新光社刊)は、臨床心理士である著者の玉川真里氏の実体験に基づいた「イヤな気分の手放し方」や「自分思考で生きるためのポイント」を紹介した一冊。
実は玉川氏、元自衛隊員で、女性初の大砲部隊野外通信手として活躍した後、陸上自衛隊において現場初の臨床心理士となった人だ。その後、現在は自衛隊を辞め、NPO法人を設立している。
■「生きづらさ」をどう乗り越えるか
イヤな気分に支配されやすい人は、基本的に社会で「生きづらい」と感じていることが多いと玉川氏は述べる。それは「みんなと同じことができて、溶け込めなければいけない」という日本の風潮があるからだろう。
しかし、それはその環境に生きづらさを感じているだけで、違う場所で花開く可能性もある。
「生きづらい」と感じる人は、世間一般でいわれる「普通」の枠におさまろうと努力するよりも、「自分はどうすれば社会の中でいい部分を発揮できるのか、自分の個性をプラスにできるのか」という自分思考を身につければ、道は拓くことがある。
これだけは言えるが、何もしないでグズグズ言っていても、何も変わらない。
■マイナスと捉えられる部分もプラスに転じる
自分の性格にマイナスな部分があっても心配することはない。見方によっては、プラスになることもある。ここでは、玉川氏が語る一般的にマイナスと捉えられてしまうような性格のプラスの側面の例をいくつか挙げていく。
「口べた」
口べたな人はとても我慢強く、よけいなことは言わずにやるべきことをやる。最小限なことしか言わないので、うっかり口がすべったり、余計なことを言って失敗することも少ないというプラスの面がある。
「みんなと同じが苦手」
逆に自分の個というものを大事に磨いていけば、さらに個性的な人になっていくことができる。また、みんなの空気にあえて逆らう人が言うことは、他の人も思っているけど言えないことだったり、他の人に新たな視点を与えることになったりする。人と違うことをするからこそ、新しいものが生み出されるのだ。
人の弱みとされる部分にも、実は必ず役に立つ面、良い面があって、強みに変えることができる。そこから、「では、どうすれば、社会の中でそれを長所として活かせるか」を考えて、簡単にできることからやっていけばいいのだ。
自衛隊の自殺率は一般の職業の1.5倍といわれている。それほど過酷な状況の中、臨床心理士として玉川氏は自衛隊の自殺予防対策を任されていた。
そんな玉川氏のメソッドは、長引く「イヤな気分」を解消してくれるきっかけになるはずだ。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。