「あなたは、部下や後輩から嫌われていると思いますか?」
こう問われて、「自分は嫌われてなんかいない!」と言えるでしょうか?
もし、自信満々に言いきれる人がいたとしたら、そんな人ほど「本当はみんなから嫌われまくっている人」かもしれません。
『他人をバカにしたがる男たち』(河合薫著、日本経済新聞出版社刊)では、健康社会学の観点から、40代以降の「嫌われまくるミドル層」の特徴と、嫌われるような言動の裏にある心理について語られています。
では、どんな人が「嫌われまくる人」なのでしょうか?
■「嫌われまくる人」がやっている10のこと
突然ですが、次の10個の項目に「〇」か「×」かで答えてみてください。
1.つい若い世代の仕事のやり方に口出しする
2.つい自分の体験談や自慢話をする
3.昔の部下や後輩に命令口調で話す
4.経験があるから、若手にはできないことができると思っている
5.デジタル技術に関わることは、若手に押しつける
6.電話を取るのは若手の仕事だと思っている
7.定年後も働く理由について「家にいると家族が嫌がる」「健康のため」など周囲の士気が下がることを言う
8.冗談めかして、やる気を疑われるような発言をする
9.「人の話を聞かなくなった」とよく言われる
10.与えられる仕事のより好みをする
これは、本書で紹介されている「老害度チェックリスト」です。言い換えれば、「鼻つまみ者度」。つまり、どのくらい周囲から嫌われているかがわかるテストです。
10個のうち、「〇」が6つ以上で「立派な老害」。3つ以上なら「老害候補」です。ただし、嫌われまくっている可能性が高いのは、むしろ「老害候補」のほうです。
著者は、老害が、「老」に「権力」が掛け算されたものであるならば、老害候補は「老+保身」だと言います。
残念なミドル層ほど、地位や自分の存在価値を守るために、他人を見下したり自分を大きく見せようとしたりする言動をとりがちです。そんな「保身のための“オレ様アピール”」が嫌われまくる要因になるのです。
■「慕われる人」と「嫌われまくる人」は何が違う?
40代以降のミドル層は、上と下に挟まれストレスが溜まるだけでなく、同年代との格差による劣等感、将来的な不安に悩まされます。
そうした鬱屈とした状況から「嫌われまくる言動」をとってしまうのです。
では、嫌われまくる人にならないためにはどうすればいいのか?
それは、「SOC」を高めることが大切だと著者は言います。
「SOC」とは「Sence of Coherence」。直訳すると「首尾一貫感覚」となります。わかりやすく言えば「まぁ、生きていればしんどいこともあるさ。それはそれとして明るく生きよう!」というたくましさのことだといいます。
SOCが高い人は、ストレス発散や不安を紛らわせるために他人をバカにしたり、みっともなく地位や居場所に固執したりしません。慕われる人になるには、この「SOC」を高く保つことが必要だといいます。
そんな「SOC」を高める要素のひとつに、「自分の可能性を信じる感情=人格的成長」があります。