どの質問も大事なことに変わりはありませんが、自らに問いかけている質問がどんな大きさかを意識するとよいでしょう。大きな質問ほど、時間をかけて試行錯誤しながら答えを探していくのが普通です。
今回、ここで自己管理の方法として取り上げているのは、小さなサイズの質問をすることです。すぐにでも答えを見つけ、アクションを起こすのが目的です。
前向きな聞き方が大切
私たちは、自分に問いかける質問の内容次第で、よからぬアイディアを思いついてしまうものです。ネガティブな質問をしても、よいことは起こりません。
どんなことでも前向きな問いかけをするように心掛けましょう。たとえば、「なぜこれほど上手くいかないのか」「なぜこんなにダメなのか」と思ってしまった場合にも、質問は「上手にやるために、自分には何ができるか」という具合に、聞き方を変えてみます。
続けていると、前向きな質問が自然にできるようになってくるものです。有意義に過ごそうと思っていた休日に、思うように物事をこなせず、イライラしてしまったようなときにも、「今夜までに何ができていれば、自分にOKが出せるか」と聞くことが助けになります。そうすることで夜までにこなすべきこと――たとえば、部屋の掃除と○○の下調べという答えが見つかり、イラついているよりも、本当にやるべきことに取り組むことができるのです。
行き詰まったら聞いてみること
日々の仕事や生活では、常に気分よくしていられないことや、嫌になってしまうこともあるでしょう。たとえば出張が続いているときには、長時間の移動やスケジュール調整の手間など、面倒なことばかり頭をよぎって、ため息をつきたくなるときがあるかもしれません。そんなときは「大局的な視点」から、自分に質問をしてみます。
「(たいへんな面はあっても、)この仕事を成功させたいか」
「出張はこの先も続くが、それでもやっていきたいのではないか」
こうした質問をすることで、「当然、自分は仕事を成功させ、今後も続けていきたい」といった答えが出て、小さなことを気にしていただけと思い直せることは多いものです。
自分自身によい質問をして、有意義な行動を取っていくのは、優れた友人に自分を前向きな方向へ導いてもらっているのと同じことです。その会話を大切にしていきましょう。
(文=松崎久純/グローバル人材育成専門家、サイドマン経営代表)