「自分自身に上手な質問をしてみる」――これはポジティブな思考をして、有意義な行動を取れるように促す自己管理の方法です。自分への問いかけに答えようとすることで、自らを助けるよいアイディアが浮かんできます。
たとえば、「この通勤時間を意味のあるものにするには、どうしたらよいか」といった質問をしますが、よりよい答えを導き出すには、こうした質問設定の仕方にちょっとしたコツが必要です。その「コツ」について考察していきましょう。
特定的な質問がよいアイディアを生み出す
自分に問いかけるのは、「短い(1行程度の)前向きな質問」であることが前提です。この短い質問をできるだけ特定的な内容にしてみます。そうすると前出の「通勤時間を~」という質問は、たとえば「この通勤時間を明日の商談のために有効に使うには、どうしたらよいか」となります。漠然としていた質問が具体性を帯び、それなりの答えが出てきやすくなります。
このような問いかけを行うことで、電車の中でスマートフォンの画面を見るにしても、ただなんとなくではなく、たとえば「商談相手が比較検討するであろうライバル会社について調べる」というように、目的意識を持った見方に変わっていくのです。
質問には「大きさ」があることを意識しよう
私たちが自らに問いかける質問には、それぞれ「大きさ(サイズ)」があります。たとえば、「会社の業績を向上させるには、どうしたらよいか」や「自分の専門分野において、業界全体のトップ5%に入る活躍をするには、どうすればよいか」というのは、大きな質問です。
それに対して、「今年度の売り上げ目標を達成するには、どうすればよいか」「来年度に、取引先を2社増やすためには何をすべきか」というのは、中くらいのサイズの質問であり、「顧客から来月中にリピート注文をもらうために、今週はどんなことができるか」「報告書の書き方について、何か改善すべき点はあるか」というのは、小さなサイズの質問になります。
仕事以外の例でいえば、「家族が今後もずっと幸せでいるために~」は大きな質問であり、「今夜、家族で楽しい食事をするために~」は、比較的小さなサイズの質問になるでしょう。