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■実社会に進出しつつある「IoT」化構想
IoTには、まだまだ構想段階だが興味深い事例は数多くある。ドイツの「インダストリー4.0」はその筆頭だろう。
「インダストリー4.0」構想は、工場のロボット化をひとつの工場という枠、さらには企業の枠を超えて、ドイツ全土に広げようというものだ。いわばドイツの産業全体を、有機的に自動連係するひとつの生態系のようにするというコンセプトだ。
製造される側のモノもバーコードや電子タグで自ら情報を持ち、製造機械とやりとりをする。まるで工場全体がひとつの有機体のように、どこかが故障すれば対応し、材料や部品が足りなくなればそれを感知して補充する――。これを一社の企業だけでなく国内の製造行全体で横断的に導入し、生産性や効率の向上を目指しているのだ。
実現すれば、まさに「インターネットのように会社や組織やビルや住宅や所有者の枠を超えてモノが繋がれている」状態だ。
日本ではドイツほど大胆な構想はないものの、国土交通省が「IoT」の技術によって新たなシステムを確立しようとしている。また、旅客機の整備現場、東京の外灯や公園内の遊具のメンテナンスに「IoT」の技術が活用されるなど、徐々に実社会に向けた取り組みが行われている。
本書を読めば、漠然としていた「IoT」というものが輪郭を帯びてくるだろう。話題の技術だけに一読して、その本質を理解しておきたいところである。(ライター:大村佑介)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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