成功を手にしたければ、人から信用されることが必要です。そして、人から信用されたければ、約束を守ることが必要になります。当たり前の話に聞こえるでしょうか。しかし、高い能力やスキルを持っている人でも、きちんと約束を守れる人ばかりではありません。約束をおろそかにする人は、案外多いのです。身近な例から考察してみましょう。
小さな約束を守らなければ、信用されなくなる
信用を勝ち取るのに必要なのは、「事業を成功させる」とか「売上目標を達成する」といった大きなことよりも、むしろ小さな約束を守ることです。
先日、筆者の知り合いが、ホームページの管理を依頼した業者(個人事業主)に何度頼んでも、領収書を送ってくれないと憤慨していました。電話で依頼をするたびに「近日中に送ります」というのに、全然送ってこないというのです。
知り合いは、これだけで業者を信頼できなくなってしまい、契約を打ち切ってしまいました。業者を信頼できれば、もっと大きな仕事も依頼したかったようですから、残念なことです。
「やるといってやらない」のは、それがどんなに小さなことでも、信用を落とす原因になると考えるべきです。そして、「やるといってやらない人に仕事を依頼すべきでない」のは、ビジネス上の常識でもあります。こうしたことを忘れないようにしましょう。
「約束を守らない人」と見なされないように注意
筆者も最近、約束を守ってもらえないことにがっかりして、協力するのをやめた案件があります。
まだ若い知り合いから、ある仕事の企画書の書き方を教えてほしいと相談を受けましたので、承知して、面会できる候補日を知らせたのですが、なぜか当人からの音信が途絶えてしまいました。
何カ月かたって別件でメッセージを送ると、「このあいだは相談しておきながら、連絡せず申し訳ありませんでした。あらためてお願いできませんか」という内容のメールが届きました。これがあまりに丁寧な文章でしたので、あらたに承知した上で、同時に私からも1つ(ごく簡単な)お願いごとをすると、「すぐにやっておきます」と返事がきたのですが、それが実行されることはありませんでした。
この人物は、日頃は常識人に見え、世間話をする相手としては楽しかったのですが、こうしたことがあると、それ以上の付き合いはしないほうがよいと思えてしまうものです。ましてや、ビジネスをする間柄になるとか、仕事のために誰かを紹介するといったことは、躊躇せざるを得なくなります。
本人には、教育的な意味を込めて注意をしておきましたが、こんなことが続けば「約束を守らない人」というレッテルを貼られてしまうのが普通ですから、注意が必要です。