「時間を守る人」になって信頼を高める
私たちは、常に周囲の人から「信用できるかどうか」を見られています。特にいじわるな目で見られているわけではありません。誰にとっても、信用できるかどうかを見極めるのは大事なことですから、自然とそうなってしまうのです。
普段から、小さな約束を守ることで信用を得るよう心掛けましょう。たとえば、時間を守ることも大切なことのひとつです。多くの人が、信用できるかどうかの判断基準として、「時間を守る人かどうか」を見ています。
時間にルーズな人は、たとえば「出発の時間を自分で指定しておきながら、その時間になっても現れない」といった行動で、周囲を困らせます。
先日もビジネス上の知人が、同僚の行動にいらだったと話してくれたことがあります。夜遅くに同僚から電話があって、翌日地下鉄で乗り合わせることになったが、当日地下鉄のホームにその同僚がどこを探しても見当たらない。そうするとメールが入って、やはり車で行くことにしたので現地で落ち合いたいという。そして結局は、現地での集合時間にも大幅に遅れてきたというのです。こんなことがあると、その同僚の信頼できない行動が、ほかにもいろいろと思い当たるようになり、嫌になっているのだそうです。
「パンクチュアル」な対応をする人になる
時間については、約束を守るのと同時にパンクチュアル(すばやく、几帳面)であることを心掛けたいものです。常識的な範囲内のスピードや丁寧さでいいですから、いつも信頼できる対応をする人と思ってもらえるようにしましょう。
たとえばメールを受け取って、即答が難しいからと、返事もせずに何日も置いておくのは好ましくありません。その場合は、とりあえず返事をして、この件は「いつまでに返答します」と伝え、その期限を守るようにします。そして当然のことながら、遅れを生じさせるやむを得ない事態が起きれば、事前に連絡をします。
こんな簡単なことですが、すべての人が実行できているわけではありません。筆者の周りにも、どんな対応をすべきかわかっていながら、ダラダラとした仕事の進め方で、上司からいつも叱られているような人はいます。
約束を守らなくても、人が付き合いを続けてくれるのは、自分が顧客の立場であるときだけでしょう。誰でも顧客には、辛抱強く付き合うものですが、そうでなければ約束を守らない人からは、皆すぐに遠ざかっていくものです。小さな約束を守ることの大切さを肝に銘じて、信用を高めていきたいものです。
(文=松崎久純/グローバル人材育成専門家、サイドマン経営代表)