これからの対面の接客業は、お客様に「あなたからサービスを受けたい」という気持ちをつくり出せるかどうかにかかっています。
こう述べるのは、さまざまな業種でのべ15万人を接客し、現在は外資系一流ホテルの鉄板焼レストランでシェフをしている仲亀彩氏だ。カウンターシェフとしても、何年もの間、指名・リピート率No. 1を維持している。
お客様と何を話していいかわからない、難しいお客様にどう対応していいかわからない。そんな悩みを抱えている接客業の人は多いはず。そんな人にとって仲亀さんの接客は参考になるはずだ。
接客のプロが重視する3つの話題
今の接客で何が足りないのか。何が必要なのか。そのヒントを仲亀氏が教えてくれる1冊が『心をつかむ接客術』(仲亀彩著、ぱる出版刊)だ。本書では、お客様に「あなたのサービスを受けたい」と思ってもらうために、実際に現場で働くサービスマンだからこそ書ける実践的な方法を紹介する。
接客業の準備は3つある。それは提供するサービスそのものの準備である「物理的な準備」と「会話の準備」「心の準備」だ。どんなお客様が来ても緊張しないためには、2つ目の「会話の準備」が必要。では、具体的にどんな準備をすればいいのか。事前に会話のネタを考えておくと困らない。どんな人とも話すことができるようになる会話のネタは以下の3つ。
1.時事ネタ
時事ネタの王道は、新聞の一面やネットニュースのトピックに上がるような話。まずは会話をしながら、客様と共通のネタを見つけることが必要。たとえ、自分が詳しく知らない話でも「詳しくないので教えてください」と聞くことで、話を続けることができる。
2.商品や店、自分がしているサービスの話
商品、店、サービスはお客様と最も共有すやすいものの代表。興味があるかどうかわからない話よりも、お客様も断然受け入れやすい。
3.自分自身の話
掘り下げすぎないものにすることがコツ。最近会ったことや出かけた場所、見たもの、食べたもの、買ったものなどについてがよい。また、自分に興味を持たれて質問されたときのために、そこで働くようになったきっかけや働く中でどう思うか、なども考えておく。
会話ネタのポイントは、これらの話を組み合わせてすること。自分の話ばかりされても、お客様は面白くない。飽きさせないために、考えておいた話題をポンポン話すことが大事。また、話の締めくくりをポジティブに終えること。そのほうがお客様も気持ちがいいからだ。
ここで触れた会話のコツ以外にも「あなたからサービスを受けたい」と思ってもらうためのコツを知ることができる本書。自分の接客で何が足りないのか、本書から学ぶことは多いはずだ。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。