企業が儲けを出すにはどうすればいいのか。それは儲かる商品があり、儲けを生み出し続ける仕組みと仕掛けが必要だろう。では、それらをつくるにはどうすればいいのだろうか。
『「儲かる仕組み」の思考法』(山崎将志著、日本実業出版社刊)は、『残念な人の思考法』の著者が事業開発者・コンサルタントの視点から、身近な出来事からビジネスのヒントを探し出す眼を養い、ビジネスで利益を出す方法を紹介する一冊だ。
■野球のボールとバット、どちらか儲かる?
例えば、野球のバットとボール、どちらが儲かると思うだろうか?
この答えはボールだ。
単価が高いから、バットの方が儲かるのでは?と思う人もいるはず。しかし、グローブやバットは、一度買うと大事に長く使うアイテムなのでめったに買い換えることがない。しかし、ボールは消耗も早いし、すぐになくなってしまう。チーム単位で大量に買うことも考えると、ボールはビジネスとして魅力的な部類に入るのだ。
新しいビジネスを生み出したいと考えている人ならば、こうした目立たない市場を狙う着眼点を持つことが大事なのだ。
■身のほどをわきまえる経営で確実に勝っていく
ニッチな市場で消耗品を売る代表的な企業として、エステーという日用品メーカーがある。
CMでおなじみの「消臭力」に代表されるように、主力商品の特徴は中味が徐々に減っていき、最後にはなくなってしまうのだ。
P&Gが売上高約9兆円、花王が約1兆4,000億円。一方、エステーは売上高500億円弱。花王の子会社より小さい中堅企業だが、これには意味があるという。身のほどをわきまえ、能力相応のことをやることに集中しているのだ。
自分たちがコントロールできる売り場で売れる以外の商品は作らない。洗剤やシャンプーのような大量生産大量販売の市場に参入しないのは、巨大企業のほうが強いからだ。エステーのように、目立たない小さな市場で得意分野に注力し、確実に勝っていくという戦略もあるのだ。
巨大な市場は大企業が強い。では、どのような市場を狙っていけばいいのか……など、企業が利益を出すためにはどのような工夫をすればいいのか、という思考法が身につく本書。今携っているビジネスを成功させたい、新しい取り組みにチャレンジする、そんなビジネスマンにヒントをくれる一冊だ。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。