経済政策「アベノミクス」の効果からか、「景気は緩やかに回復しつつある」という報道がされていますが、街角景気にはまだまだ反映されておらず、特に中小企業に勤めている人は「相変わらず景気は良くならないなあ」と思っている人も多いはずです。
「○○株式会社は、諸般の経営事情により事実上倒産することになりました」
普段から社内でも経営危機がささやかれている会社では、朝、出社したらこんな張り紙がしてある可能性も0ではありません。
そして、問題なのはその後。転職先のアテはない。すぐに転職活動をはじめるにしても、仕事が見つかるまでどのくらいかかるか分からない。あなたがそんな状況に陥ったとき、何日生きていけますか?
お金をテーマにした小説『たまらない女 ためられる女』(朝倉真弓/著、サンマーク出版/刊)は、大手アパレルメーカーに勤務する主人公・村崎菜緒(28歳、独身、彼氏ナシ)の親友で、小さな広告代理店に勤務する朱美がそんな憂き目にあうところからスタートします。
会社の倒産後、仕事がなかなか決まらないという話を聞いて心配した菜緒は、朱美と食事に行くことに。ところが当日、菜緒の前に現れた朱美からはどこか余裕が感じられます。どうしてだろうと思いながら話を聞いていくと、朱美は就職当初からボーナスを全部貯金にまわしており、しばらくは稼ぎがなくても生きているだけのお金があったことが分かります。
その話を聞いて逆に余裕をなくしたのが菜緒でした。実は菜緒はまったく貯金がない「たまらない女」。もし今、無職になったら1カ月ももちません。
さっそく生活費を見直そうと、数カ月前間放置していた通帳を見てみると、何に使った分からないクレジットカードの引き落としが目立ちます。その無駄遣いを差し引いて計算すると、毎月の生活にかかる固定費はそこまで多くなく、1カ月で手取りの10%になる2万円ならば、なんとか貯金できそうでした。
さらに生活費の中でも少し割高となっている食費を削減すれば完ぺき!…と考えていた菜緒でしたが、姉の菜実と義兄の幸宏に貯金の話したところ、「食費を削る節約は続かない。体にも心にもよくないからやめたほうがいいよ」と笑われます。そして、菜緒は菜実と幸宏のアドバイスに従って貯金ができる女に変わろうとしていくのですが…?
本作は、菜緒が「たまらない女」から「ためられる女」に成長していく過程を通して、読者にお金についての考え方を教えていく“マネーレッスン”小説。貯金の仕方や保険、クレジットカードの使い方、キャリアアップ、さらには不動産投資まで幅広く網羅しています。
「たまらない女」だった菜緒は、貯金がないがために、転職することに踏ん切りがつかなかったり、怪我をして入院することになった友達を見て不安になったりします。でも、こうした経験をしたことがある人は実は少なからずいるのではないでしょうか。
様々な人に感化されて、自分の生き方を考え直し、本当にやりたかった仕事をするために一歩ずつ足を進めていく菜緒の姿に、共感する同世代の女性は少なくないはずです。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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