中小企業の経営者にとって、新規顧客の獲得は大きな課題の一つで、上手くいかなければ経営にも大きな影響を及ぼします。だからこそ必要なのが「営業活動」ですが、営業部門を強化したくても、人手不足の昨今、なかなか新しい人が採用できないということもあるでしょう。
その一方で現場の営業マンもノルマを抱え、数字を積み上げに苦心。新たな販路の開発や営業メニューの立案なども検討したいのに、時間がほとんど取れないと悩んでいる人もいるはずです。
こうした中小企業が対峙する問題に対して一つの解を与えてくれるのが、展示会営業(R)コンサルタントの清永健一さんが提唱する「展示会営業」です。
■営業を強化したい中小企業はなぜ展示会に出展すべきなのか?
清永さんが執筆した『最新版 飛び込みなしで「新規顧客」がドンドン押し寄せる「展示会営業」術』(ごま書房新社刊)は、2年前に出された同タイトルの書籍の“最新版”で、最新データや動向を踏まえて新章などを加筆し、より充実した内容になっています。
そんな本書によれば、展示会の開催件数は2016年の681件から、2018年が763件に増えており、さらに年間の延べ出展社数も2016年の11万8732社から、2018年の12万1318社とこちらも増加傾向(本書p26-28より)。つまり、ここ最近でも展示会に対する企業の注目度は高まっているのです。
では、なぜ中小企業が展示会に出展することで、営業が抱える問題を解決できるのでしょうか。その答えは、新規顧客獲得のための様々なメリットが展示会にあるからです。 そのいくつかを本書から取り上げましょう。
●自社の見込み客との出会いの場となる
大小合わせて様々な企業のブースが一堂に会する展示会には、たくさんの来場者が訪れます。その中には自社の見込み客になりそうな人もいるはず。こちらから出向かずして、客に出会うことができるというのは大きなメリットです。
●自社の知名度が低くてもすぐにコミュニケーションが取れる
展示会営業が訪問営業や電話営業、DM営業などと違う点は、警戒されにくいという点です。中小企業の場合、知名度の低さは大きなネガティブ要素。売り込みをかける段階ですでにマイナスからのスタートとなりがちですが、展示会に来場する見込み客は情報収集とという明確な理由を持っているので、営業側が「教える」、顧客側が「教わる」という理想的な関係が作りやすくなっているのです。
●人手や資金の少ない中小企業でも正しいやり方をすれば大きな成果が出る
多くの人手やたくさんの資金をかけなくても、展示会の準備からフォローまでのプロセスをしっかりつくり込むことで、大きな成果を出すことができます。
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近年ではインターネットを活用したデジタルな情報発信が得意なはずのWEB系企業も、アナログな手法であっる展示会への出展を加速させているといい、展示会は出展ラッシュともいえるほど活況となっているようです。
本書では、実際に展示会に出展してビジネスにつなげた企業の事例なども豊富に掲載されています。
すでに展示会に出展しているものの成果が出ていない企業はもちろん、なかなか営業が上手くいかない中小企業にとっても、現状を打破するきっかけの一つの手段・考え方として本書の内容を参考にしてみるのもいいのかもしれません。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。