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松崎久純「ビジネスパーソンの自己啓発」

成功者が毎日やっている「勉強」の具体的方法

文=松崎久純/グローバル人材育成専門家、サイドマン経営代表
成功者が毎日やっている「勉強」の具体的方法の画像1「Gettyimages」より

 ビジネスパーソンにとって、自分のたずさわる業務を深く、あるいは体系的に学ぶのが大切であることは、あらためて語る必要はないでしょう。専門分野について詳しく知るのがムダになることはありません。また、専門ではない分野の学習も高い価値を持っています。たとえば、多くの人たちが悩む職場の人間関係は、誰にとっても専門ではありませんが、誰もが直面し得るテーマだからです。

 ビジネスパーソンにとって日々の学習は不可欠ですが、今回は、そうした学習を習慣づけることの効果について考えてみたいと思います。

時間を大切にするようになる

 以前、筆者は勤めていた会社で、上司が若い女性社員たちに「何かを勉強する習慣を身につけること」を勧めるのを見たことがあります。会議が終わったときに、上司は「ここからは業務と直接関係ない話になるが」と断ってから、女性社員たちに、毎日帰宅してから夕食をとるまでの間に勉強することを勧めたのです。そのとき上司は、テーマは何でもよいので、資格取得などの目標を立て、毎日取り組むと、人は「時間を大切にするようになる」と話したのです。

 私はその上司の話で、気づいたことがありました。そこに居た女性社員たちは、失礼ながら普段からあまり時間を大切にしているようには見えず、私語も多く、気分次第でダラダラと残業をするような勤務態度でした。そのことを上司は気にしていて、解決案として勉強することを勧めたのでした。

 私自身は、思うように出世していない自分に焦りを感じ、仕事が終われば常に何かの勉強をしていましたので、いつでも時間をムダにするのはもったいないと思っていましたし、仕事中の私語などは好きではありませんでした。ですから上司の話はよく理解できました。そしてそのことを「夕方の勉強」を勧めることで改善させようとした上司に感心したものです。

 やってみるとわかるのですが、夕方から日常的に勉強する時間を確保しようとすると、私たちは朝からの時間管理が必要になり、一日の行動が引き締まってきます。夕方から計画していることが特にない場合と比べて、全体に緊張感が出てくるのです。もちろん勉強するのは夕方でなくてもいいのですが、一日に1時間くらいの時間を確保して、自分の業務や将来に役立つ学習をするのは、そうした時間管理や就業態度の改善にとってもよい効果があります。同時に、自分と同じように時間を大切にしている人と、そうでない人の違いにも敏感に気づくようになるでしょう。

松崎久純/グローバル人材育成専門家

松崎久純/グローバル人材育成専門家

サイドマン経営代表

企業の海外赴任者や海外拠点の現地社員を対象にグローバル人材育成を行う専門家。サイドマン経営・代表。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科非常勤講師。著書に『好きになられる能力 ライカビリティ 成功するための真の要因』(光文社)、『英語で学ぶトヨタ生産方式 エッセンスとフレーズのすべて』(研究社)、『イラストで覚える生産現場の英語』(ジャパンタイムズ)など多数。

Twitter:@HardLifeEasy

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