人生が多様化し、結婚をあえて選ばない生き方も珍しくなくなっているものの、それでも結婚を望む人は多く、そのための活動「婚活」はすっかり有名な言葉になった。
しかし、これがなかなか難しい。相手に望むもの、相手から望まれるものが折り合わずに結婚に至らなかったり、そもそも交際にまで発展させられなかったりといったこともしばしばで、うまくいかない人は「いったいどうして」となりがちだ。
50歳になっても25歳の妻を求める男たち
『ドキュメント 「婚活」サバイバル』(青春出版社刊)はそんな婚活の現場を克明に描く。 彼・彼女はなぜ結婚できないのか?
結婚相談所マリーミーを運営する著者の植草美幸さんは、一つの例として、若い女性を求めすぎる男性たちの問題を指摘している。たとえば50代で婚活をしている男性たちの中には、20代の頃から「理想の女性像」をアップデートできていない人も少なくない。
結婚願望が一番強かった20代の頃、結婚相手として同世代の女性を希望していた彼らは、50代になった今もかつてと同じように20代の女性を結婚相手として求めているケースがある。実際、お見合い相手の希望年齢に「25歳」と書いた50代男性は一人や二人ではないという。
そんな彼らにとってみれば、30代半ばを過ぎた女性は「おばさん」ということになってしまう。自分の年齢を棚上げし、お見合いをした女性への感想を聞くと「すごいおばさんだった」と答えることも。30歳とのお見合いでは楽しそうに話すのに、35歳、40歳、45歳とお見合い相手の女性の年齢があがるごとに無口になる男性もいる。
しかし、彼らに「年齢にこだわりすぎではないか」と聞いても、決してそれを認めることはない。「年齢にこだわってはいないが、写真で検索すると肌つやがいいのは25歳前後なので、そうなってしまう」という答えが返ってくる。それは、結局年齢にこだわっているということなのだということはわかっていないのだ。
50代ともなると、社会的地位の高い人もちらほらいる。当然、結婚相手を求めている女性たちからの受けもいい。しかし、実際に会って話してみると、若い女性向けの会話しか用意していない彼らは、30代、40代の女性たちと話が合わない。結果、物別れに終わってしまう。
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一生の伴侶を得るための婚活はまさにサバイバル。 どうすればうまくいくのかどうかは、うまくいかない実例が豊富にそろえられた本書を見ればおぼろげに見えてくるはず。
婚活がうまくいっていない人、これから婚活を始める人は、本書から多くの教訓を得られるはずだ。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。