年商20億円企業の経営者である松本毅史氏は、かつて1日15時間労働、月100本以上のミーティングと、ハードワーカーであり「仕事中毒」だったが、ある時自分を見つめ直し、その働き方をやめた。そこで実践したのが「暇になること」だった。
「ユルく」「賢く」が令和の働き方
『#暇力』(松本毅史著、けやき出版刊)では、かつて社員に対しても激務を課すことを厭わなかった経営者である松本氏が作り上げた『成果型社内評価プロジェクト』のメソッドと「ユルく」「賢く」令和を楽しむ「働き方」を紹介する。
やりたいことをやる幸せか、求められる幸せか。松本氏はこれまで「やりたいことをやってきた」タイプだったが、社員を抱える経営者である以上、やりたいことだけに専念することは難しく、ハードワーカーな自分を神格化し、自社で働く社員に対しても激務を課すことを厭わない時期が長くあった。しかし、今は時代の潮目が変わる渦中にあって、経営者としてマインドチェンジができたという。
真剣な暇つぶしが働くということの本質である、というのが新しい松本氏の経営マインドである。人生をすべて差し出してまでやることはない。長い人生、何かしらやっていないと暇だから、思い切り集中できる暇つぶしとして仕事がある、と考えるようになったのだ。
仕事は暇つぶしと目線を変えることができると、自分でも驚くほど集中できたりするもの。お金を得る手段としてしか仕事を捉えられなくなると大抵の場合、面白いと思えなくなり行き詰まってしまう。しかし、真剣な暇つぶしと発想を切り替えられると、「今よりももっと他のやりもあるな」「もっと違う暇つぶしの方が集中できそう」というように、仕事を楽しむ目線で多様な選択肢を考えられるようになるという。固定観念に捉われずに「働くということ」を考えてみてみるのもいいかもしれない。
本書は、経営者や経営層が働き方の意識を変え、誰よりも多様な選択肢を持って自由に生きるための提案の書であると、松本氏は述べる。新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにリモートワークなど働き方も変わってきている今、より多様な働き方を考え、ゆるく、賢く働くことを実践してみるのもいいかもしれない。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。