さほどお金に執着しないという人でも、必要なものが買えない人生や、貧乏し通しの人生は嫌なはず。だとしたら、本当に求められているのは「お金持ちになる方法」ではなく「どんな場所でも、どんな状況でもお金を稼ぐための方法」なのかもしれません。
『一生お金に困らない「華僑」の思考法則』(大城太/著、日本実業出版社/刊)は、世界中で活躍する中国人「華僑」のビジネス哲学から、その方法を教えてくれます。商才に定評がある華僑ですが、その考え方の基本は「“一時的なお金儲け”で終わらずに“一生お金を稼ぎ続ける”習慣を身につけること」。
実際に華僑に弟子入りし、その行動を間近で見た著者の大城さんによると、彼らの習慣にはこんなものがあるようです。
●相手の目を見て話すことを重視しない
日本では、「人と話す時は相手の目を見て」というのがコミュニケーションの基本とされています。しかし、華僑に限らず「世界中で一番だまされにくい」と評される中国人は、この基本を重視していません。その理由は、“目の表情は自分でつくることができるから、目でウソをつくこともできる”というもの。
「目は心の鏡」といわれて育つ日本人には理解しがたいことかもしれませんが、誰でも「反省している目つき」や「怒っている目つき」をつくって、目で演技をした経験を持っているはずです。つまり、人は「目でウソをつく」こともあるわけで、華僑が相手の目を見て話さないというのは、騙されて大事なお金を失わないための方法として正しいとも言えるでしょう。
●「目」ではなく「口」を見る
相手が内心で何を考えているのかを把握することも、失敗をしないためのコミュニケーションでは大切です。相手の心を知りたい時、華僑たちは「目」を信用しない代わりに「口」を見ます。
彼らいわく「口は作ることができない」。
「口の端だけ上げて笑う人は内心相手をバカにしている」「目は笑ったまま口がピクッと動いたら、実は怒っているのかもしれない」「かわいらしく見せようとしてアヒル口をつくる」など、口は人の感情を如実に表します。
その最たる場面が「食事」です。食事中の口は食べることに意識がいくせいか無防備になり、無意識の感情や本心が出やすいといいます。華僑たちは商談相手をよく食事に誘いますが、その裏にはこんな考えがあるのです。
●意図的に「ダブルブッキング」する
商談や待ち合わせのダブルブッキングは、私たちの感覚では言語道断、絶対にやってはいけないことです。しかし、華僑はそれを意図的に行います。そもそも、ダブルブッキングは悪いことばかりではありません。バッティングした商談の相手同士を結びつけることができれば、逆に双方から感謝されるでしょうし、自分の面子も上がります。
2つの商談を1つにまとめるわけですから時間の短縮にもなるということで、華僑は自らダブルブッキングを演出するのです。
本書で取り上げられている華僑の考え方や行動は、日本人からすると馴染みのないものが多くあります。しかし、世界各地に散らばって堅調にビジネスを続ける彼らのやり方は、どの国でも通用する普遍性を持っています。思い切って実践してみると、想像もつかなかった効果を多くの人が感じるのではないでしょうか。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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