ビジネスパーソンとして成長し、大きな仕事ができる人材になるにはどうしたらいいのか。得意な能力を伸ばすと早期に成長できるが、得意な能力だけでできる仕事には限界があり、成長の度合いが段々と低下していく。そこで時間はかかっても苦手な能力を鍛え、克服したうえで、もともと得意だった能力を発揮すれば、さらに成長は加速する。
具体的には「深掘り力」と「共感力」のうち、苦手なほうを鍛えることで、ビジネスパーソンとして大きく成長できる、としているのが『「共感」×「深掘り」が最強のビジネススキルである 3000億円の新規事業を生み出すビジネスプロデュース思考術』(三宅孝之著、PHP研究所刊)だ。
深掘りタイプと共感タイプは「コインの裏表」
本書では、大企業の次の柱となり得るような数百億、数千億規模の新規事業を創造するビジネスプロデュースの概要と、ビジネスプロデューサーになるための深掘り力や共感力の鍛え方を紹介する。
ビジネスパーソンは、深掘りタイプと共感タイプのいずれかに分けられる。深掘りタイプは、ある物事を深く掘り下げて調べたり、分析したり、考えたりすることが得意なタイプ。さまざまな角度から論理的に考えることができ、数字にも強く、何事も自分の納得いくまで粘り強くやり切ることができる。しかし、人付き合いや他人と話すことは苦手である。
共感タイプは、人の気持ちを察して、仲良くするのが得意なタイプ。人と話すのが上手いので、相手からいろいろな話を聞き出し、その要点をまとめてアウトプットすることができる。ただ、物事を調べて深掘りすることが苦手なため、思考が浅く、ある程度考えてわからなかったり、やってみてできなかったりすると、飽きて放置してしまうことも多い。
深掘りタイプと共感タイプは、コインの裏表のような関係なのだそう。深掘りタイプは共感力が弱く、共感タイプは深掘り力が弱い。なので、自分がどちらのタイプなのか、苦手な能力を鍛え、両方をバランスよく身につけることが重要になる。それぞれのタイプが苦手な能力を鍛えるためには3つのステップがある。共感タイプのステップ1は「知識を増やす」「論点を整理する」こと。ステップ2は「分解して定量化する」「マトリクスで考える」。ステップ3は「視座の高い人と議論する」「マップで考える」こと。
深掘りタイプのステップ1は「型を意識する」「デットラインを決める」こと。ステップ2は「人に会いに行く」「あえて結論を言う」。ステップ3は「表現のレパートリーを増やす」「マップで考える」こと。
どちらのタイプも、苦手なスキルを鍛える意識をしていないと、得意なスキルばかり使うようになってしまうので、常に自覚し、自分で是正しなければならない。共感タイプか深掘りタイプなのか。自分がどちらのタイプに分類されるのか。苦手なスキルを鍛えることで、ビジネスパーソンとして成長できるはずだ。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。