–その場で注文しないことが重要ですね。
田中 はい。ですからテレビ通販番組を見る時には、すぐ手の届くところに携帯電話なども置かないほうがいいですね。
次に、購入前に「それは本当に必要なものか?」「今買う必要があるものか?」「置く場所はあるのか?」「もっと良いものがあるのではないか?」を考えるようにしましょう。インターネットで買った人のコメントをチェックすることも重要です。
–「欲しいものリスト」をつくって、ひとまずそこに入れて、後からじっくり検討するのもいいかもしれませんね。
田中 はい。それは良い考えだと思います。最後に、これまでテレビ通販で買ったものを1カ所に集めてみましょう。本当に必要なものばかりでしょうか? 使わないで放置しているものはありませんか? このようにしてしっかり反省しておけば、同じ過ちを減らせるかもしれません。
–私も、使いもしない健康器具などがたくさんありました。今後は、3つのポイントを参考にしてみます。
テレビ通販番組を制作する企業側も多額の費用をかけていますから、反応率を高めるために必死にマーケティング調査をして、日々改善を重ねています。消費者も、ただ流されるだけではなく、逆に何か得るものはないでしょうか。
社会人の多くは、消費者であると同時になんらかの販売者側でもあります。テレビ通販番組を通じて、販売手法を学ぶことができます。テレビ画面から知ることができる話術やテクニックのほかにも、商品に同梱されているお礼状やカタログ、申し込み用紙、ハガキなどもチェックしてみると、次の注文へつながるような工夫が随所に見て取れます。
これらを参考にして、賢い消費者であると同時に、商売のセンスを身につけることができれば、購入した商品以上に得るものがあるはずです。
(文=尾藤克之/経営コンサルタント)
●尾藤克之(びとう・かつゆき)
東京都出身。経営コンサルタント。代議士秘書、大手コンサルティング会社、IT系上場企業等の役員を経て現職。人間の内面にフォーカスしたEQメソッド導入に定評。リスクマネジメント協会「正会員認定資格HCRM」、ツヴァイ「結婚EQ診断」監修等の実績。著書に『ドロのかぶり方』(マイナビ新書)、『キーパーソンを味方につける技術』(ダイヤモンド社)など多数。