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経済学者のアルバート・O・ハーシュマンは、著書の中で、組織の中の離脱・発言・忠誠について述べています。
働く場に問題がある場合は、ただ単にその場に「忠誠」心を持って黙って勤務を続けるだけでなく、労働者が「発言」をして組織の改革をするのが「発言」のメカニズムであり、それでも動かない場合は、自分にとってよりよい職場を求めて「離脱」することが必要である、ということです。発言と離脱が双方ともに健全に機能しているとき、雇用側と労働者の意見のすり合わせが上手くいき、その組織は良好なパフォーマンスを発揮するといいます。万が一、自分のいる組織が「発言」と「離脱」の機能を備えていない場合には、その組織自体に問題がある可能性もあります。
どうしても会社の価値観と自分の価値観のすり合わせができない、と感じる人は、モヤモヤと渦巻いている仕事への不満を、ロジカルな形で他人に説明するのもよいでしょう。自分の価値観と仕事の何が対立しているのか明確にしていくことは、ストレスの軽減にもなり、自分のキャリアを考える上でも役に立ちます。
20代では、自分の行った選択が取り返しのきかないことだと思い込んで、仕事について必要以上に悩んでしまうこともあります。望まない仕事内容や異動があっても、長い目で見ればそれがのちのち自らの糧となることもあります。
将来、「あの経験があったから今がある」と言えるキャリアを積むには、仕事を深く理解し、積極的に関わることが一番重要なことになるのでしょう。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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