台湾で実業家・占い師として活躍している龍羽ワタナベ氏が、6月に上梓した『しあわせを呼ぶお金の運の磨き方』 (サンマーク文庫)では、日々の習慣やクセを修正して、運気の流れを整える方法がいくつも書かれています。その方法は、「手のひらを合わせて縦にこする」「耳をもみながら上に引っ張る」「携帯電話、テレビの画面を磨く」など、簡単ですぐ実行できるものばかりです。
今回は、著者の龍羽氏に、運気を上げるといわれる方法について話を聞きました。
●日本の風水は間違いが多い
–龍羽さんが占いに関心を持った経緯について教えてください。
龍羽ワタナベ氏(以下、龍羽) 青山学院大学を卒業して証券会社で働いたのですが、その当時、経済発展が始まりかけた中国に強く魅力を感じ、会社を辞めて中国・広州の大学に留学をし、卒業後に台湾に渡り、小さな商売を始めました。台湾人と接していると、彼らはとかく占いや運気、風水にこだわります。それで私も日本にいる時に趣味で学んでいた占いや運気について専門的に学ぶようになりました。学び進めるうちに、私たち日本人が知っている占いや風水には間違いが多いことに気づいたのです。
–具体的に、どのようなことが間違っているのでしょうか?
龍羽 台湾や香港では、四柱推命、人相、風水などの占いだけではなく、東洋医学(漢方やハリ、気功等)など、さまざまな思想や宗教観を複合的に織り交ぜて体系化しています。体系化の根底には「陰陽五行」という思想があるのです。ところが、日本では枝葉部分だけが注視されています。
例えば、黄色が金運を呼ぶ色だとテレビなどで報じられたら、財布や持ち物を黄色で統一する人も少なくありません。中国社会でも黄色はお金の象徴色ですが、黄色の財布に人気が集中するようなことにはなりません。
–財布を黄色にすれば金運がアップするというわけではないのですか?
龍羽 色には確かに意味はありますが、人によっては黄色がアンラッキーカラーになることがあります。
–私たちが知っている風水とは考え方が違うのですね。
龍羽 台湾や香港では、一般的に占いや風水が日常に入り込んでいます。お金持ちはお抱えの占い師を持ち、オリジナルの風水を施すなど大金をかけています。
–大金をかけるということは、風水の目的が金運を上げるためではないのですね。
龍羽 本書でも、お金や運をテーマにしていますが、それらは手段や方法論であって、伝えたいことの本質ではありません。