2050年はどんな時代になっているのだろうか。今、使っているものや家電製品は形も大きさも違うものになっているかもしれない。例えば、携帯電話はこの20年間で、使い方、使い道、見た目、どれも進化した。携帯電話が普及し始めた頃に、画面に触れれば何でもできてしまうスマートフォンを想像していた人はどれだけいただろうか。
さらにモノだけでなく、働き方や職種も変わっていることが予想できる。
21世紀とはどんな時代で、どんな人材が求められていくのか? その時代を生き抜く力とはいったい何で、それを身につけるためには何が重要なのか?
『21世紀を生き抜く3+1の力』(佐々木裕子/著、ディスカヴァー・トゥエンティワン/刊)では、その問いに対して、現時点で入手できる将来予測データと、「変化の兆し」をつき合わせ、いまの時点の答えをまとめている。
2050年の日本の総人口の平均年齢は53.4歳、人口の4割が65歳以上の国になることが本書では予想されている。平均寿命も90歳で、約半数の人が90歳以上まで生きる時代がやってくる。65歳で無職になり、100歳くらいまで生きるかもしれない前提で、老後の生涯生活費を計算すると、たとえ月額22万円としても35年で9600万円。医療費、介護費その他を加えると約1億円。人口の約4割が65歳以上の超高齢化社会で、これをなんとか「年金」や「退職金」で、というのは楽観的すぎる想定といえる。
人生100年、平均年齢53歳の2050年の日本では、60歳などほんの「中年」だ。少なくとも75歳くらいまでは「働き続ける」前提で、心と体とスキルの準備をしておく必要がありそうだ。
また、「働く」という概念も大きく変わる可能性がある。10年前の世界にSNSは存在せず、20年前の世界では、インターネットはまだ米国政府の研究機関のものだった。つまり、世界中のネット関連企業に勤めている若者たちは、彼らが小学校1年のときには存在していなかった仕事に就いているのだ。
これから10年、20年後にどんな新しい仕事が生まれてくるかを予想することはできない。ただ、ひとつだけいえるとしたら21世紀の「働くという概念」は、20世紀の「働くという概念」とは違うだろうということだ。
定年退職の年齢も60歳が65歳になり、働く年齢は引き上げられている。医療の発達により、寿命も長くなっている。36年後、どんな社会になっているのかは分からないが、平均年齢が53歳になっている日本は今のままでは成り立たなくなっていることはたくさんあるだろう。
今が働き盛りの30代、40代のビジネスマンは36年後、まだまだ働いているかもしれない。価値観の全く違う若者たちとも一緒に働くことにもなるだろう。21世紀をどう生き抜いていくか。どんな社会になっているか。思いを巡らせてみると、不安な部分もあるが楽しみな部分もあるはずだ。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。