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17歳の少女が世界を動かした――史上最年少のノーベル平和賞受賞者・マララさんの決意

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 教育者であったマララさんの父親は、“ラジオ・ムッラー”の言うことは嘘だと看破し、生徒たちの自由を守ろうとした。しかし、状況は悪化する一方だった。2007年暮れにはマララさんが尊敬している、パキスタン初の女性首相ベナジール・ブットがテロリストに暗殺される事件が起こる。ここで「女性を殺してはいけない」という掟は破られ、女性であっても、子どもであっても、安全はなくなったのだった。

 転機は2008年末。ファルズッラーから「2009年1月15日から女子は何歳であっても学校に行くことを禁じる」という命令が出された。女子教育の全面的な禁止令である。

 そんな折、父親のもとに、イギリスの有力放送局BCCの通信員から、「BCCのウルドゥー語(パキスタンの公用語)のウェブサイトに、タリバン支配下での生活を日記にして書いている人を探している」という連絡が入る。外に向けて発言をするチャンス。でも、そんなことをすれば命が狙われてしまう…。誰もが断るなか、マララさんは「私じゃだめ?」と声をあげた。そのとき、マララさんは11歳。

 学校を続けられるならなんだってしたい。マララさんの決意は固かった。さすがの父親も不安の表情を見せたが、母親は賛成をした。「正しいことなのだから、神さまが守ってくれるはず」。

 そして2009年1月3日、マララさんはグル・マカイというペンネームで日記を書きだした。タイトルは「こわいです」。これが後に、ヨーロッパ圏で「アンネの日記のようだ」と言われるなど、パキスタン内外で大きな注目を集めることになる。

 学校が大好きだった少女の一つの決意。それが世界を大きく動かすきっかけとなった。その勇気に、読者は感動を覚えるだろう。一方で、どうして紛争地域はなくならないのか、その中で人々はどのような恐怖を感じているのかを知り、衝撃を受けることもあるはずだ。

 マララさんが背負っているものは、とても重い。けれど、彼女は声を上げつづける。
(新刊JP編集部)

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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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