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元リクルート伝説の女性MGR 小原瑞穂氏(株式会社Hooray代表取締役)インタビュー(2)

リクルート元社員が語る「リクルートはAKB48である」

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小原 今の日本は文部省にしてやられている気がするんですよね。例えば、司法試験。今は、大学院まで出なければいけない(免除できる資格試験はありますが)。なぜ試験という実力を測定する機能があるのに、受験するために何年もの時間と多額のお金を、学校という名の既得権益機関に支払わなければならないのか? 裕福ではない家庭の子供は、チャンスが狭められます。

 学歴社会というものに不満があるわけではないですが、学校を儲けさせる(文部科学省の力の増大)のために、無用な労力と金銭がかかることが耐えられなかった。

 無認可スクールをビジネスとした私には、これを打破した社会を創りたいという夢があったんです。文部科学省認定ではない学校が、いい人材を輩出することで、学校業界に自由競争を引き起こしたかった。青いですけどね。

 だから、仕事をしていて楽しいんですよね。お客様と一緒に「打倒文部科学省」と燃えていた。私の仕事は、広告ですけど、こうした考えがありましたから、顧客企業のカリキュラムづくりなども携わっていました。営業というよりコンサルタントに近い。そんなことで、お客様も2倍、3倍と成長していく。さらに、そうしたお客様のために今度は、社内の商品を企画開発していく。

 これはもう、楽しくてしょうがなかったですね。その結果が、連続1位というものになっただけです。

――リクルートの悪いところって何でしょうか?

小原 難しい質問ですね。あっても言えないでしょう(笑)。自分に合っていたからかもしれませんが、どこの企業よりも少ないとは思います。その中であえて言うとしたら、事業部ごとのコンセプトは一貫しているけど、オールリクルートでみると疑問を感じるところがあることでしょうかね。

 例えば、学校系の事業部では、「手に職を」と専門学校を宣伝しています。その事業部では、本気でそう思ってPRしているのですが、かたや就職系の事業部は、大学生中心。専門学校生を就職に結びつける努力はされていない。事業部ごとに独立させているので、この辺が弱いのですよね。

 一人ひとりの人生を考えると、そのPRによって人の人生を変えてしまっていないかという責任感みたいなものをどう考えているのだろうか? と感じ苦しんだことがあります。リクルートがつくった「フリーター」という言葉にしても同じように感じています。

――リクルートは13年度中にも上場する見通しですが、どのようにご覧になられていますか?

小原 評論家とかコンサルタントと名乗る人々が、「リクルートがやっと上場できるようになった」と言っています。しかし、リクルートは上場できるタイミングはいくらでもあったんですよね。しかし、あえて上場しないことを選んできた。というのも、リクルート創業者の江副浩正さんは、SONY創業者の盛田昭夫さんから上場時に失ったものを聞き、上場をしないと決めていました。

 上場は、企業にとって、目的ではなく手段ですからね。上場によって得るものと失うものがある。リクルートという会社は、現場によるスピーディな意思決定力で成り立っていた会社です。上場は、公のものになることですから、その特性が失われる可能性もありますよね。

 今回は、グローバル化のために資金が必要なのでしょうかね? その辺のところはよくわかりません。今回の件の答えは、10年後、20年後にわかるのではないですか?
(構成=丸山隆平/経済ジャーナリスト)

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