今年91回目の開催となった箱根駅伝。日本中が青山学院大学の初優勝に沸いた。
5区を走った新・山の神こと神野大地選手の活躍を、覚えている読者も多いのではないだろうか。優勝に導いたのは、かつて「伝説の営業マン」だった原晋(はら・すすむ)監督である。
約10年のサラリーマン生活でトップ営業マンだった原監督は、ビジネスの営業手法を駅伝の指導に応用したのだ。
監督業というのは、要するに人と物、お金を動かしてチームを作りあげていく仕事なので、営業マンとしてやっていたことと全く変わらない。駅伝での優勝も、ビジネスでの成功も結局は人間のやることだから、実はプロセスにおいてもまったく同じだと言い切る原監督。
5月2日発売の自著『逆転のメソッド–箱根駅伝もビジネスも一緒です』(祥伝社刊)の中でも次のように述べている。
“「営業マンから大学駅伝の監督へと全く違う畑へ転身してとまどいませんでしたか」と聞かれることがあるが、私に言わせればビジネスも駅伝も同じことである。(中略)では、駅伝にもビジネスにも共通した成功の秘訣は何かというと、その分野で「ここは外してはいけないという何か」をキャッチすることだ。それは、あるときにはキーマンだったり、あるときにはキーワードだったりする。”(本書171P)
このように、「外してはいけない何か」をキャッチするのが上手な著者であるが、決して順風満帆な人生を歩んできたわけではない。
中国電力に陸上選手として入ったものの故障して5年で引退、サラリーマンとして一から再スタートすることになる。そして、営業マンとしてトップとなるも、青山学院大学の監督へ転進。箱根駅伝への出場を目標としながらも、3年目には予選会で惨敗し、廃部・監督解任の危機に追い込まれた。
そこから這い上がって、監督就任11年目に箱根駅伝優勝を勝ちとったのだ。
タイトルが「逆転のメソッド」とあるように、何度もどん底から這い上がってきた著者の言葉には重みがある。
また、監督になって導入した、選手たちに課した目標管理シートを本書で公開。神野選手の目標管理シートを例に、半歩先の目標の立て方についてもレクチャーしている。
その他、ビジネス、部活の指導、就職活動にも役立ちそうなエピソードが満載だ。人生逆転のメソッド=原メソッドをもっと詳しく知りたい方は、本書を読んでみてほしい。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。