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【6】諸外国、テロ組織も閲覧自由!?

自衛官語る「SNSで防衛機密垂れ流すトンデモ艦長が野放し」

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 上司である第14護衛隊司令からの注意を受けた2月初旬頃、「S」2等海佐はFacebook上のプロフィールの「みねゆき艦長」を削除、その表記を「Japan NAVY MINEYUKI CAPT」と英語ながらも”日本海軍”と改める暴走ぶりをみせた。

「公務員が書いた文書は、すべて公文書と理解されても仕方がない。階級章付顔写真入りで『みねゆき艦長』とプロフィールに表記していれば、海上自衛官の書き込みであることは閲覧者には明白。それを上司に注意されてなお『Japan NAVY』とはおふざけが過ぎる。とてもまともな幹部自衛官とは思えない」(元海上自衛隊幹部)

「S」2等海佐の暴走はこれに留まらない。司令(1等海佐)から注意を受けてもまだ、反省の素振りもなく、他の艦に勤務する幹部自衛官の勤務評定をFacebookに投稿、全世界に個人の勤務評定をばら撒くに至る。

自衛官の勤務評価も公開!

 例えば、輸送艦「のと」船務長兼補給長(Facebookでは実名)について、「『去年、幹部になったばかりなのでまだまだです』と、同艦艦長が話していた」とFacebook上に書き込み。同艦長も、みずから話した部下への勤務評価を、ネットを通して全世界に公表されるとは思ってもいなかっただろう。挙句の果てには「船務長兼補給長はかなり『のと艦長』からしぼられていたので、同窓の縁で激励してやろうと思います」と書き込むなど、その暴走は留まるところを知らなかった。

「そもそも他艦乗組幹部の勤務評価は『職務上、知り得た内容』ではないか。それをFacebookに書き込むとは、幹部自衛官としての資質に問題あり。艦長職に留まること事態、大きな問題だ」(元海上自衛隊幹部)

 こうした一連の投稿について、防衛省倫理審査会、及び海上自衛隊が調査した結果、一連の投稿は護衛艦「みねゆき」艦長・「S」2等海佐本人によるものとわかった。

 本件についての対応について、同審査会に問い合わせたところ、次のような回答を得た。

「本件に関しては、情報漏洩や職務専念義務違反等の規律違反行為は確認されませ
んでしたが、幹部自衛官として、無用な誤解を招きかねない情報を個人の判断でイン
ターネット上に掲載することは、必ずしも適切とは言えず、当該隊員については、上
司から厳重に注意を実施いたしました」

 つまり「S」2佐については、所属部隊である第14護衛隊司令・1等海佐からの注意のみということである。

 また海上自衛隊へも同様に問い合わせたところ、海上幕僚監部広報室名で、次の回答を入手した。

自衛隊も「問題なし」

「一部自衛隊員として不適切な面が見受けられたことから、海上自衛隊といたしましても、インターネット環境の発達に伴う個人による情報発信の危険性を認識し、引き続き指導を徹底して参ります」

 つまり自衛隊法でいう懲戒には当たらないというわけだ。防衛省倫理審査会の調査の結果にある「規律違反行為」に該当するものがなかったためである。しかし、これでは冒頭の山梨県警察本部鑑識課長の本部長訓戒と比べて、処分に著しく妥当性を欠きはしないだろうか。なぜこのような軽い処分で済んでしまうのか?

「防衛省や海上自衛隊としては、この事案では懲戒処分はできないだろう。なぜなら懲戒処分を行うと、どの書き込みで処分したかを、きちんと公表しなければならない。そうすると何が『秘』で、何が『秘』ではないかを世に明らかにすることになる。これは自衛隊のような組織では大変困る。もっとも公には処分はされないが、防衛省や海自が回答しているように『上司から厳重注意』された事実は残る」(元海上自衛隊幹部)

 また、関係筋は、「情報関連及び自衛隊員の規律全般を担当する海幕高級幹部(総務部長、指揮情報部長など)は、『みねゆき』の事案はオプセック(オープン・オブ・セキュリティ)の欠如であり、”徹底教育する”との見解を示しているため、『S』2等海佐は幹部自衛官としてはもう終わったと思う」と話す。

BusinessJournal編集部

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