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バスの通勤定期券は年間2万円も損?カラクリをバス会社さんに聞いてみた

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バス通勤のサラリーマンは要注意だ 「Thinkstock」より
 サラリーマン諸氏のうち、「通勤定期券」を購入している人も多いだろう。バスや電車などの公共交通機関では、定期券を発行している事業者がほとんどだ。しかし、この定期券とは利用者のお財布にやさしいシステムなのだろうか? 調べてみると、実はバスの定期券は、利用者にとってほとんどお得ではないシステムであることが浮かび上がってきた。

 普通運賃200~210円の小田急バスで定期を購入する場合、1カ月の価格は9000円。ひと月で22~23往復使用しなければ元が取れない値段だ。週休2日のサラリーマンであれば、会社に通勤するのは多くても月に23日。今月などは19日だ。つまり、暦によっては通勤に定期券を使用するだけならば、損をする結果となってしまうのだ。

 さらに、昨今では「バス利用特典サービス(バス特)」という制度がある。定期券ではなくSuicaやPASMOなどのICカードを使用してバスに乗車した場合、1000円利用するごとに100~170円分、例えばひと月に9000円利用した場合には1560円分のポイントが付与される。定期券を購入するよりも、はるかにお得なサービスだ。しかも付与されたポイントは、どのバス会社でも共通で利用できる。

 つまり、通勤利用だけならば、バス定期券を購入するメリットはほとんどない。

 このような定期券の不都合について小田急バスのお客様相談センターに問い合わせたところ、「他社のバスに乗る場合が多いと、定期券を購入せずにバス特を使って乗車をするお客様も多いです。ただ、定期券の場合、通勤区間だけではなく、弊社のバス全線でご利用いただけるんです」との回答。ということは、複数の区間を乗り継いで利用しているならば、定期券を購入すると得ということだ。

 また、東急バスの定期券代は月に9000~9450円。

 月に52回以内の乗車であれば、バス特のほうがお得になる。通勤のため月に21日乗車した場合、定期なら9450円、バス特を利用した場合は7620円。かなりの違いだ。

 年に換算すれば、その差は2万1960円。東急バスでも定期券を購入した場合、通勤路線以外の全線で定期券が使用可能となっており、休日もお出かけなどに使用するのであれば、元が取れるかもしれないが、通勤だけを考えると大損だ。

 また、鉄道の定期券との金額の差は明らか。京王グループの場合、同じ190円区間でも、京王電鉄ならば月額7120円のところ、京王電鉄バスならば8550円と1430円の差。いったいどうしてこんなにも差がついてしまうのか? 京王電鉄お客様相談センターに問い合わせてみたところ、こんな回答が寄せられた。

「割引率が違っているんです。どうしてそのような差が出てしまうのか明確な理由はわかりませんが、バスと鉄道では燃料代などのコストが異なりますし、乗客数も異なります。そのような事情が、割引率の差に反映されているのではないでしょうか」

 バスで通勤する場合、「なんとなく通勤定期券」という選択をしていると、年間2万円以上もの大損となってしまうかもしれない。定期券の購入は休日の移動手段も考慮しながら、慎重に検討したい。
(文=萩原雄太/カモメマシーン)