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楽天、航空事業参入の狙いとは?エアアジアとの蜜月の舞台裏と不安 旅行事業を柱に

文=編集部
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楽天、航空事業参入の狙いとは?エアアジアとの蜜月の舞台裏と不安 旅行事業を柱にの画像1エアアジアの航空機(「Wikipedia」より/Johnleemk )
 楽天は、マレーシアの格安航空会社(LCC)エアアジアが設立したエアアジア・ジャパンに出資し、航空事業に参入する。新会社の資本金は70億円。航空法では日本の航空会社への外国企業の出資を3分の1未満に規制しているため、エアアジア本体の出資比率は49%だが、議決権ベースで33%と3分の1に抑えた。楽天は18%を出資(議決権比率も18%)し、そのほかの大株主は投資ファンド、オクターヴ・ジャパン インフラストラクチャーファンド合同会社が19%(同28.2%)、化粧品のノエビアホールディングスが9%(同13.4%)、スキー用品のアルペンが5%(同7.4%)と、異色の顔ぶれが並んだ。

 社長には全日本空輸(ANA)出身で、旧エアアジア・ジャバン(現バニラ・エア)の社長を務めた小田切義憲氏が就任。新エアアジア・ジャパンの登記上の本社は中部国際空港(愛知県常滑市)に置いており、同空港を拠点に2015年夏~秋に定期便の運航を始める計画だ。機体はエアバスA320型機を2機投入する。

●エアアジアの3つの反省

 エアアジアは全日空を傘下に置くANAホールディングスと合弁で旧エアアジア・ジャパンを設立し、12年に国内線事業に参入した。東京(成田)と那覇、札幌路線を運航したが月間の搭乗率が50%台と低迷し、13年6月にANAとの合弁を解消し日本から撤退した。

 エアアジアは今回、日本への再進出にあたって前回の失敗を教訓にした。旧会社が失敗した原因の1つ目は、個人客向けにインターネット経由で航空券を販売するエアアジアの予約システムが、日本人にとって使い勝手が悪かった点だ。旅行会社を通した団体客向けの販売が多かった日本市場の特性に合わなかった。そこで今回、楽天とタッグを組んで予約システムを強化する。エアアジアの自前の予約システムは使わず、チケット販売には楽天の予約システムを使う。

 失敗した原因の2つ目は、議決権比率が67%だったANAが経営の主導権を握ったこともあり、路線拡大などのテンポがエアアジアの想定より遅かったことだ。今回はエアアジア本体と投資ファンドを合わせて議決権ベースで61.2%を握り、経営の主導権を確保した。

 失敗の原因の3つ目は、拠点とした成田国際空港の着陸料が高く、発着時間に制限があったことだ。この反省から成田を外し、中部国際空港を拠点に国内線のネットワークを張ることにした。

●エアアジアの狙い

 エアアジアの狙いは羽田空港の発着枠を獲得し、羽田を拠点にした国内線の就航を行うことである。羽田や成田に離着陸できる回数の枠は国が決めて、各航空会社に割り当てている。今年4月、楽天の三木谷浩史会長兼社長は代表理事を務める新経済連盟のシンポジウムで「空港の高い利用料や発着枠の制約をなんとかしなければ、観光立国は実現できない」と発言。同席していたエアアジアのトニー・フェルナンデスCEOは「私と同じ考えだ。政府に影響を及ぼすことができる人と組みたい」と語り、三木谷氏に秋波を送った。フェルナンデス氏はマレーシアで破綻状態の航空会社を買い取り、航空機2機から事業をスタートして、今や18カ国・地域に208路線を展開するアジア最大のLCCに成長させた風雲児だ。

BusinessJournal編集部

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