NEW
徳岡晃一郎「世代を超えたイノベーションのために」(11月22日)

人生を豊かにし、富裕層入りするためのキャリアモデル 日常生活に組み込むべきプロセス

【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「Thinkstock」より
 前回連載記事『プロの仕事師は、なぜ数十億円の年俸を捨てたのか? 会社に捨てられ慌てる中間層』では、アメリカの富裕層(年収1億円以上)の仲間入りを果たしたランチョ・サンタフェに住むT君の話を紹介したが、そうしたキャリア設計は、若いうちから意識して自分の生活をコントロールしないと難しい。プロの仕事師としてどう自分をつくり込むか。自分なりのゴールイメージを考え続けて、若いうちから少しずつ具現化するよう取り組んでいく必要がある。今回から数回にわたり、筆者の恩師である一橋大学の野中郁次郎名誉教授が唱えて世界的に有名になった知識創造理論のSECI(セキ)モデルに基づいて、それを筆者なりにキャリア論に当てはめた「SECIキャリア」モデル、さらにはイノベーションを起こすワークスタイルについて考えてみよう。

 SECIモデルとは、知を創造する(イノベーションを起こす)基本的なプロセスを表しており、「Socialization」「Externalization」「Combination」「Internalization」の頭文字をとったものだ。

・Socialization(S)
 さまざまな体験や勉強、OJTなどを通じて、暗黙知として自分の中に基礎的な知見をぼんやりとでもため込む。

・Externalization(E)
 たまった知見を整理して自分なりの考え、コンセプト、仮説、ビジョンなど、自分の見識を言葉としてしっかりまとめ、イノベーションで狙う価値を見定め、形式知化する。

・Combination(C)
自分の見識を他者の見識や違った分野の知見と結びつけて形(モノやサービス、ビジネスモデルなど)に体現したり、より大きな知識体系に仕立てたりしてイノベーションを形にする。

・Internalization(I)
 出来上がったモノを使い、フィードバックを得て反省し、より深い知見をため、自分の暗黙知を豊かにする。そして次のイノベーションの土壌をつくる。

 以上のプロセスにより知見は深まり、次々と新しい価値を創造することに結びついていく。

●人生を豊かにするSECIモデル


 例えば、本づくりでは、まずさまざまな経験や勉強から自分なりの問題意識や考えが頭の中に浮かんでくる。師や先輩からの教え、背中を見て気づくこともあるだろう(S)。暗黙知が豊かになってきたところで、そこから自分の問題意識を整理し、何を書いて世に問うのかを明確に形式知化する。筋書きをきちんとするわけだ(E)。それができたら、本のストーリー、構成を考え、必要な調査、先行研究や情報の収集・分析などを行い、体系化を図り、本にする(C)。出版されれば読者からの反響があり、思わぬ発見や批判・激励を受けて、自分の考えがさらに深まる(I)。