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ニトリ、28期連続増益を支える異端経営 「当たり前」をひたすら徹底で独自施策続々

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ニトリの店舗(「Wikipedia」より/禁樹なずな)
 ニトリホールディングス(HD)が3月30日に発表した2015年2月期連結決算は、売上高が前期比7.7%増の4173億円と家具小売業界初の4000億円台に乗せた。経常利益は同7.0%増の679億円となり、28期連続の増収増益となった。営業利益も同5.1%増の663億円で28期連続の過去最高更新、最終利益も同7.9%増の415億円で、こちらは16期連続の過去最高更新と、「連続増」のオンパレード。このため、株式市場では16年2月期の連続増収増益予想も「当然」と受け止められ、証券アナリストからは「驚きなし」と評価される始末だった。

 今や毎期増収増益が常識と化し、株式市場関係者からは「業績に不安材料がなさすぎるので株価も波乱がなく、投資対象としては極めて退屈な銘柄」との声まで漏れてくる。この半ば「常識化した連続増収増益」要因としては、「お、ねだん以上」のキャッチフレーズに代表されるニトリHDのビジネスモデル成功が俎上に上るのが一般的だ。

 しかし、それだけでは「ニトリHD常勝」を説明しきれない。例えば外食大手のような連続増収増益頓挫例が後を絶たないからだ。そこで同社の経営を探ってゆくと、企業としてなすべき経営が当然のごとく行われている実態が見えてくる。

クレームの嵐から生まれたビジネスモデル


 ニトリHDは1967年、個人営業の「似鳥家具店」からスタートし、まだ2店舗しかなかった71年頃、家具を安く売るため家具メーカーからの直接仕入れを試みる。しかし「問屋を通さなければ家具は売れない」という家具メーカーの総スカンで、これは失敗する。

 その後、73年の変動相場制への移行で円高が急進。それを見た似鳥昭雄社長は「海外から家具を買い付ければ、輸送費を入れても国内調達より安値で売れる」と考え、85年5月から台湾製家具の直輸入を開始する。ところが、販売してみると「買った直後なのにひび割れしている。どうしてくれるんだ」といったクレームの嵐に見舞われ、客から返品された家具と在庫品の焼却処分を余儀なくされる。当初はひび割れの原因がわからなかったが、間もなく台湾の製造法が原因だと判明する。

「海外で国内品質並みの家具を調達するためには、自社生産するしかない」と考えたニトリHDは94年、インドネシアに自社工場を建設、国内販売用の家具生産を開始する。これが今日の同社ビジネスモデルの原型になった。

 インドネシアで国内品質並みの家具生産に成功した要因は、トヨタ生産方式の導入だった。改善の積み重ねで生産性と品質を向上させ、海外生産量を拡大した。04年にはインドネシアに次いでベトナムに工場を建設、海外生産比率を高めた。これらの工場では「生産性向上」を合言葉に、従業員が効率的に働ける同社独自の仕組みを採用している。作業に無駄が生じないよう課長、班長、一般従業員などの職務分担を明確化し、それぞれの職場が1日ごとの部品調達や生産計画を従業員自ら綿密に詰めてゆく。